食べさせる工夫

 今年の夏はとても湿度が高いのか、早朝の散歩でもすがすがしく感じられる日は少ないですよね。湿度が高いと身体も重く、だるいのはおそらく動物も同じでしょう。早朝の散歩でも湿度の高い日はすぐに、口を開き、散歩からかえる頃には足取りも重そうです。気温もさることながら、湿度の高い日には散歩も短めに切り上げ、体力の温存に気をつけてあげたいものですね。特に犬の場合は匂いを追いながら移動するため、つい我を忘れ思ったより長い時間を散歩してしまいがちなので、飼い主様がコントロールしてあげてくださいね。散歩の後に後頭部(首の後ろのあたり)や内もものソ経部をタオルで包んだアイスパックなどで短時間冷やしてあげるのも良いでしょう。

 そして、この時期やはり人間同様「食欲低下」に陥ることが多いようです。特に朝は食べることよりも休むことを選びたいようで、食餌を出されても「食べたくなーい」とばかりに匂いをかんで去っていってしまうことがしばしばです。いつも食欲がある子が食べてくれないと飼い主は心配になるものです。何か病気があるのではないかと疑ってしまいますが、夕食はきちんと食べ、快眠、快便で、嘔吐や下痢など特別通常と異なる症状がなければ、これはこの時期のパターンということになるでしょう。もちろん、不安な場合はまず、動物病院で健康診断をしてみることが一番です。健康上問題がないと分かれば、あとは飼い主が親として「食べさせる工夫」を考え、実行して、体力を低下させないよう健康管理をしたいものです。

 一般的に、こんな状況で飼い主様にありがちなのが「食べるものをあげよう」として、あれやこれやと品を変えてあげてしまうことです。多くの場合、飼い主様はそのコが好むものを率先してあげるので、動物はそれを学習し「そっか、食べなければほしいものが出てくるんだ。ラッキー!!」と学習してしまうわけです。また、犬や猫は脂肪に嗜好性が高いいため、選んで与える食材やおやつは高たんぱく、高脂肪に傾きがちです。しかし、食欲がないというのは、言い換えれば消化機能が低下していることも意味しているため、かえって胃腸に負担をかける結果にもなりかねません。ですから、少し手間と時間はかかりますが、できるだけいつもと同じ食餌を消化しやすい形であげてみてほしいのです。以下いくつか我が家で実施している例を挙げてみますのでご参考にされてくださいね。
※ただし、適さない子もいますので、まずは獣医師に相談してください。

・いつもの食餌を少しだけ別の小皿にとり、少しずつ与える。

・無糖ヨーグルト少量を少量の水でといたものを混ぜる

・手作り食の場合は、あたたかいご飯ではなく、さめたものを使う

・食餌に使用する分量の肉を少しだけ、よけておき、食べなかったら少しずつトッピングしてみる

・3回に一回くらいは朝食だけ鶏レバー、卵や白身の魚など嗜好性の高い食材を少量いつもの肉の分量を減らし、その分混ぜる。

・牛乳が大丈夫な場合は、少量の牛乳とごはんをまぜる


 さらに、叱咤激励もまた食を促すテクニックです。食べたら、「褒める」。また、日中は涼しい環境で静か休養させることも大切です。

 暑い夏、飼い主様もペットも元気に楽しく乗り切りましょう!

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