腸内環境と健康の関係は!?

 急に冷え込み、体調を崩す人が増えています。特に、子供や高齢者、生活が不規則な人は、身体が急激な環境の変化に対応できずに、体調を崩すことが多くなります。これは動物も同じで、若齢や高齢の動物、また栄養バランスのとれた食事をしていない動物は、体調を壊しやすい状況にあります。特に変化は見られないけど、下痢をした!なんてことはありませんか?「下痢」は見落としがちですが、初期の下痢は立派な健康障害の黄色信号。そこにはいずれ赤信号になり、様々な病気になる可能性も潜んでいます。

 下痢は、栄養を吸収する場所である「小腸」、または水分を再吸収する場所である「大腸」という、「腸管」で生じた何らかの問題が原因になることが一般的です。食べ物が体内に入ってくるときは栄養やエネルギーがとりこまれるのと同時に、身体に必要のない細菌も入ってきます。しかし健康であれば、そのような細菌は、低い胃酸濃度で殺菌され、それでも生き残った細菌は腸管にある免疫機構が血液中に入るのを防ぎ、そのまま便中に排泄するという働きが身体にはあります。つまり、仮に胃を通り抜けてきた細菌も腸管が正常に働いていれば、身体が必用とするものだけを吸収し健康状態を維持することが可能になります。

 そこで、近年ペットフードでも注目を集めているのが「プロバイオティクス」です。腸内にはもともと善玉菌と悪玉菌といわれる多数の腸内細菌がすんでおり、そのバランスが腸内環境を左右しています。腸内環境が整っていれば、身体に必用な栄養素もしっかりと消化、吸収ができ、かつ免疫機構が身体を外敵から守ってくれることになります。そのためその効果を証明する給与試験などが行われ、実際に良い成果をあげていることが分かってきています。

 ところが、飼い主様が何気なく与えている食べ物が、この大切な腸内環境を乱していることがあるのです!最も多いのが「お肉などのタンパク質の与えすぎ」です。未消化なタンパク質は、大腸で腐敗し、腸内環境のバランスを崩します。これを解決するのが野菜に含まれる食物繊維ですが、これもまた与えすぎは逆効果。次に多いのは「糖分の与えすぎ」です。糖分は食物繊維を発酵させ、腸内細菌の住処である腸内の建て直しをするために必用ですが、発酵しすぎがマイナス効果を生じます。果物や糖度の高い野菜やビタミンやミネラルが含まれる空犬にも大丈夫といわれているはちみつだって与えすぎれば同じです。そして、意外と気がつかないのが、低品質なペットフードや栄養バランスの悪い手作り食です。良い家を建てようとしても、資材が悪ければ無理なのと同じです。腸内細菌だって頑張りようがありません。

 もともと持っているからだの仕組みを効率よく働くことができるようにするのが、良い食事選びだと思います。お腹の健康を考えてますます元気に寒い季節を乗りきりましょう!

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