心配による与えすぎ

 楽しかった夏休みもアッという間に終わり、今頃は飼い主様愛犬ともども『だる〜い』毎日をお過ごしではないでしょうか?「夏休み後プチ休み」なるものを作りたいくらいです!!
 でも、愛犬は想像以上に疲れているかもしれません。暑さや湿度に加え、旅行へ同行した場合は、知らない場所や知らない人や犬.様々な「予期せぬ」環境の変化において順応するため、それなりに神経を使い努力していたはずです。特に知らない人に突然さわられたりするのは、慣れていない犬にとってはひじょ〜にイヤなもの。特に頭は本来信頼している飼い主様いしか触って欲しくない場所。犬は我慢しているのです。ところが、犬を知らない人が最初にさわるのは「頭」ですよね。我慢強いコほどストレス指数もアップ!愛犬が「とにかくゆっくり休みた〜い!」と思うのもうなずけます。そして、疲れを回復するために何よりも大切なのは「水分摂取」と「休養」です。私たちもすごく疲れているとき、「食事も何もいいから寝かせてほしい〜」時がありますね。あの状態です。身体は寝ている間に調整を行い回復へ向けてエネルギーを使っているのです。よって、それ以外に無駄なエネルギーを使うのは逆効果。回復を遅らせます。しかし、この時期そんな愛犬の気持ちをよそに飼い主様にありがちなのが「心配による与えすぎ」です。
 たとえばぐったりとしている愛犬をみてどこか悪いのかと心配になり動物病院へ直行する。嘔吐や下痢など他にも症状があれば別ですが、よく寝るだけで名前や物音にいつものように反応をするのであればとりあえず様子をみて大丈夫。新たなストレスを与えぬように、涼しく静かな「いつもの」環境でゆっくり休ませてあげましょう。
 また、「疲れているからもっと栄養を与えなきゃ」と考えがちですが、前述したように身体は「回復」のために調整をしているのです。そんなときに良く食べるからといって、目新しい食べ物や脂肪の高い食べ物を与えると、そうでなくてもストレスで弱っている消化能力に負担をかけるため、逆に嘔吐や下痢の原因となり、「弱り目にたたり目」といった結果に。一方で食べないと体力は回復できません。愛犬が食べないからといってそのまま放っておかずに、疲れているときには、食べ慣れている「いつもの」食事を少量頻回で与える、ふやかす、などの工夫を施し消化をサポートしてあげましょう。また、水分補給も重要です。手作りのチキンスープや少量の野菜や果物を利用するという手もありますこともできます。チキンスープは、鶏ガラなど脂肪分の高い部位からではなく、ムネやささみなど脂肪の少ない部位を使いましょう。特に高齢になると回復力も遅れる上に、嗅覚も低下するため食欲が減退しやすい状況にあります。そんなときは、すこしあたためる、少量を手から与える、など臭いを感じることのできるような工夫が役立ちます。
 飼い主様の観察、配慮、そして工夫こそが、愛犬の健康をサポートする「必殺わざ」です。

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