犬がたべてはいけないもの I

 最近急に寒くなり、早くコートが着たいと身を縮めている私を横目に、マメタロウは「今が絶好調!」といわんばかりに軽快に散歩を楽しんでいます。ただ、「何を食べても美味しい」季節がやってきたことに関しては同意見で、季節の恵みを一緒に楽しんでいます。
 これからの時期は何かとイベントも多く、ワンちゃんたちもいつもにもましてヒトの食べ物をおすそわけしてもらうことが多いと思います。そこで今月と来月2回に渡り「犬が食べてはいけない」食材について一緒に再確認していきましょう。

ニンニク

 この手の質問のなかで最も多く聞かれる食材です。それはニンニクも犬には禁忌の「ネギ類」だからです。しかし、不思議なことにネギでは、溶血性貧血の報告はあってもニンニクではありません。一方でニンニクはサプリメントの一成分であったり、レース犬などはスタミナアップのために摂食している事実もあります。決定的なデータが無いため「ニンニクは良い」とは言えませんが、ネギと違いマイナス面よりプラス面がクローズアップされているのは事実なようです。実際にニンニクは免疫力を強化するなど多様な効果がありますが、効果がある食品ほど多量に食べれば毒になるのも事実なのでやはり注意は必要ですが、ごく少量を食べてしまったからといって心配する必要は無いとおもいます。

チョコレート

 チョコレートに含有されるテオブロミンという成分を多量に摂取することで中毒が生じます。最悪の場合は死にいたることもあります。テオブロミンはチョコレートやココアにも含まれ、含有量はココア、製菓用チョコレート、セミスィートチョコレート、ミルクチョコレートの順です。中毒は体重1kgあたり90から100mg以上で生じます。実際に製菓用チョコレートでその量をたとえると、体重11kgの犬が約90gほど食べてしまうと危険だということになります。ですからなめる程度にあげたからといって危険はありません。またチョコレートにはやはり大量に摂取すると中毒症状を起こす「カフェイン」も含まれているので、いずれにせよ犬が自分で食べられない場所にしまっておくことが大切です。

卵白

 卵はビタミンC以外のすべての栄養素をふくむ優れた食品です。卵白を生で食すとアビジンという成分がビオチンの吸収を阻害しビオチン欠乏症になると言われていますが、そのビオチンは卵黄にはたっぷりと含まれているので、全卵で食す場合には相殺されます。食物とは基本的には「全体」で栄養が構成されているので、全体で食したときにその栄養バランスが最善なのです。しかし、ダイエットなどの場合、卵白は脂肪がないので良い蛋白質源になります。この場合はかならず加熱して使いましょう。



 骨に関しては多様な意見があります。歯がかけたり、のどにつまらせたり、食道にささったりなどのリスクを考えると、カルシウムが目的ならばサプリメントを、固いものが必要ならば、固焼きのクッキーなどといった目的にあった他のものを与えたほうが無難だと思います。ただし、圧力なべで加圧し、骨を柔らかくしたものをたまにおやつで上げるのは大丈夫。スペアリブなど味付けがしてあったり、また加工食品などの骨は味が染み込んでいたり、どんな骨か不明なので与えるのはやめましょう。

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