フードチェック、食べる前と食べた後

 あの蒸し暑かった夏もパタッと影を潜め、秋の穏やかな気候はどこへやら.....ここのところ涼しいというよりは肌寒い日が続いていますが、そう思っているのは寒がりの私だけのようで、マメタロウは俄然元気に食欲も回復し、待ってましたとばかりに残すことなくきれいに食べるようになりました。よかったー。
 最近「どんなフードが良いのか?」という特集をペット雑誌でよく見かけます。これには、ペットに対する飼い主の意識変化、フードに関する情報の公開、あるいは数あるフードの中での選択肢の基準がわからないことなどが関係しているのでしょうか。ペットフード派の飼い主は健康、嗜好性、価格を選択の基準にし、一方手作り食派は食材に重点があるようです。これはおそらく、ペットフードは最初から「総合栄養食」と記されているため、飼い主は「栄養のバランスは当然」との認識があり、一方手作り食では「栄養のバランスを考えて」作っているためと思われます。
 いずれにせよ、まずは「食べること」が重要なのですが、「よく食べるから」ということだけを理由にフードまたは食材を選択するのは待ってください!ペットフードの場合は犬の嗜好性を考え研究されたダイジェストという脂肪を使用し、嗜好性が増強されているので、ある種のダイジェストが好きな犬はそのにおいがあれば、フードの栄養濃度や質にかかわらず、よく食べるでしょう。一方、手作り食の場合、犬は、好きな肉だけいっぱい食べたいでしょう。このように栄養を優先しないで嗜好だけで選んだ場合、栄養がかたより、病気の原因になることがあります。
 また、価格を優先させた場合、自分の食生活を考えても分かるように、あるレベル以上の食材を使用しようとしたらそんなに安価には出来ませんよね。しかし一方で化粧品などもそうですが、安いけどこれが一番自分に合うというものがあるのも事実です。
 また、「健康」は食べた結果のものだし......では、いったい何を基準にして食餌を選べばいいのか?
やはり第一はフードに使用されている素材の種類、質とその配合バランス。第二に糞尿の状態、さらには皮毛や元気さ、体重の増減の具合と言えるでしょう。
 しかしせっかく犬の現在の健康状態に適したフードに変えても、食べないことがあります。通常は2週間くらいかけて前のフードを少しずつ減らし、新しいフードを少しずつ増量していけば問題ないと思いますが、それでも食べない場合はすぐに別のフードを変えてしまう前に、そのフード1日分のエネルギー量の約10%を目安に好きな食べ物(もちろん味のないものですよ!)を混ぜてあげてみてください。そして下痢などの特殊な症状がない限り最低1ヶ月くらいは同じフードで健康状態を観察していくといいでしょう。また、ウンチが臭くなったなどという場合は、植物性蛋白質の含有量が多いフードから動物性蛋白質が主原料のフードに変えていませんか?動物性蛋白質の方がにおいは強くなりますが、吸収率は高く、ウンチの量も減るはずです。しかし、あまりにも臭いが強い場合は蛋白質が多すぎるのかもしれないので、消化酵素を加えてその他の健康状態とあわせて2週間くらい観察し、改善が見られないようならば、フードの変更を考えてもみても良いでしょう。
 とにかく迷ったときには「フードチェック、食べる前と食べた後」
覚えておいてくださいねー。

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