ときわ台、板橋区、練馬、和光市、川口、草加、越谷を中心に犬と猫を主に診察・治療している動物病院です。

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ペット栄養学教室

 


   新しいスタートのきっかけとなる新年。今年の目標は決まりましたか?これといって新しい目標でなくても、今あることを見直すこともまた新しいスタートを切るために大切なことだと感じます。そして、食事もその一つ。特に、そろそろ高齢期になるワンちゃんまたは猫ちゃんの飼い主さんには良い機会ですね。

 
  高齢になると諸機能が低下するのはヒトも動物も同じ。しかし、ヒトでもアンチエイジングがあるように、老化に影響される諸機能をサポートするように働きかけることは可能です。中でも「適正体重の維持」と「筋肉量の維持」はとても大切です。

 
  体重維持は、おやつを減らす、運動量を増やす、給与量を見直すなど飼い主さんに意識があれば意外ときちんとできるものです。しかし、筋肉量の維持となるとどうすればいいのでしょうか?「筋肉=運動=プロテイン」みたいな公式はボディービルダーを想像するとつきますよね。ただし、筋肉がないのにいきなり運動量を増やせば、関節など体に負担をかけるだけだし、単純にタンパク質を増やせば、長い目で見ると肝臓や腎臓に負荷をかけることになります。では、どうしたらいいでしょうか?


  解決法の一つとなるかもしれない研究が2003年の「American Society of Animal Science」で報告されていました。「蛋白質源の種類と量が骨格筋に与える影響」について研究されています。蛋白質源を「コーングルテンミール」と「鶏肉+チキンミール」に分けて、その配合割合を100:0、67:33、33:67、0:100のようにして実験した結果、「鶏肉+チキンミール」で構成されたペットフードを与えられていた犬の方に明らかな骨格筋の増加がみられました。コーングルテンミールはとうもろこしから抽出した蛋白質源であり、チキンミールは鶏肉を乾燥させて粉状にしたものです。動物性蛋白質の方が植物性蛋白質よりも消化吸収率が高いことを考えると当然と言えば当然の結果のような気もします。それよりもこの研究でちょっと気になったのは、「鶏肉:チキンミール=55:45」という混合率です。なぜならば以前から、体重増加を目的に様々なフードを同じエネルギー量で与えてみてもさほど目立った体重増加が見られないのに、ゆでた鶏のささみを少量加えたとたんに体重が増加が顕著になったという結果ですしてきたということが何件かあったからです。私が勉強してきたホリスティックニュートリションでは、「食べ物は全体で食べたときに体内で最も効率よく消化吸収できるような栄養構成に作られている」と考えています。この観点から考えれば、「鶏肉」という蛋白質以外にもその吸収をサポートする様々な栄養素が含まれる食品全体としての蛋白質源方が体内での利用率が高いことも考えられますね。また、「鶏肉:チキンミール=45:55」だったら、あるいは「コーングルテンミールと鶏卵での比較」だったらどうだったのかなど新たな疑問も生じます。

  以上のことから、ペットフードを選ぶ新たなポイントとして、従来の①「蛋白質源は、アレルギーなどの問題がない限り動物性蛋白質源を使用している」②「記載は「使用原材料の重さ順」なので、最初から3番目以内に動物性蛋白質源が記載されている」に加えて、新たに③動物性蛋白質源は、ミールや副産物よりも「チキン」「鶏肉」など全体して表示されている④蛋白質源が動物性と植物性が混合している場合は、動物性蛋白質が最初にきている」という項目も一つの指標になるかもしれません。
④はもし、鶏肉から重さの60%に相当する水を除き、粉状のコーングルテンミールとの重量比較した場合、この順序はどうかなど不明点が残りますが…
 蛋白質は身体を作る大切な栄養素です。フード選びでチェックしてみましょう。


今年もみんな元気に楽しく暮らせますように!!






Pet Clinic アニホスは、東京都板橋区(東武東上線ときわ台)にある犬猫を中心に診察・治療している動物病院です。東武東上線沿線、池袋、豊島区、文京区、北区、足立区、練馬区、埼玉県和光市、朝霞市など多くの地域から患者様がご来院されます。



寒くなってきましたので、くれぐれもペットの体調にも気を使ってください。
2012年は良い年でありますように!





ペットの権利

20110112

  • Posted at 09:49




 今年最後のコラムになりました。本当に年々1年が短くなっている気がします。特に今年は大震災があり、心穏やかではいられなかったせいか気が付けば12月になっていました。一方でこの大災害を通じて気づかされたことも多くありました。みなさんの気づきはどのようなことだったでしょうか?私は、改めて「食と体や心の結びつき」を再確認しました。「空腹な時にそれを満たす食べ物を、寒い時に身体を温める食べものを、熱い時には身体の余分な熱をとる食べ物を、体調が悪い時にそれを癒す食べ物を、さらには落ち込んだ時に元気になれるような食べ物を」食べることは、まるで魔法でもかけられたかのように私たちの体と心を元気にしてくれます。被災者の方々が暖かい食べ物を口にした時の心からの笑顔がとても印象に残っています。

 食べることはあまりにも必然かつあたりまえであり、日常生活では何となく食べていてもある程度の健康が維持できているせいか、その大切さに九頓着であることにもうなずけます。しかし、このある程度の健康が維持できているのは私たちが無意識のうちに「体が要求する食べ物」を選び、食べているからです。甘いものが食べたい、さっぱりしたものが食べたい、がっつりしたものが食べたいなどなど…これらは身体が自己調整をするために必要な栄養素を体内に取り込めという脳からの指令なのです。ところが、この指令を無視し続けると、本来の調整機能が正常に働かなくなるため、必要以上の量を摂取する、偏った食べ物だけを食べるといったことが生じ、健康を損なう結果となります。

 このことは動物も同じです。動物は本来自己調整能力に従順であるため、動物自体が食べ物を選ぶことの出来る環境であれば、体調に応じて薬草を食べる、吐き戻す、下痢をする、食べないなど様々な方法で体調コントロールをするでしょう。ところが、ヒトと暮らし人が与えるものを食べ、自らの選択肢がない生活環境では、ペットは飼い主さんが気付かない限り体調に応じた食事を食べることはできません。少々体調不良でもそれしか食べ物の選択肢がなければ空腹を満たすために食べてしまいます。飼い主さんは食べると安心をする傾向があるため、翌日も同じ食事を同じ量だけ与えます。これが続けば、脳からの指令を無視し続けた食事です。体調の変化は早期に気付けば早期に回復しますが、長引けばそれだけ時間もかかります。食べることは本来「楽しい記憶」と結びつくことが大切ですが、嘔吐などを繰り返せば「食べること=嫌なこと」と結びついてしまいます。その記憶がトラウマになる前に、飼い主さんはその変化に気づき、体調に応じた食事を与えることが回復の近道に非常に重要です。

 そのためには、日頃からペットの行動パターンや変化をよく観察すると同時に、その動物に必要な栄養やそれを含む食べ物、基本的な体の働きなどについて興味を持ち知ることです。こういった知識を得ることを「面倒くさい」と感じる人も多いのは事実ですが、「命」を預かった以上、彼らの身体が発している赤信号に敏感になり、「快眠、快食、快便」を促す食生活と運動、そして何よりも愛情を与えることはあなたと家族になったペットが主張できる最低限の権利です。笑顔の絶えない幸せなペットが来年も増えますように!








Pet Clinic アニホスは、東京都板橋区(東武東上線ときわ台)にある犬猫を中心に診察・治療している動物病院です。東武東上線沿線、池袋、豊島区、文京区、北区、足立区、練馬区、埼玉県和光市、朝霞市など多くの地域から患者様がご来院されます。



寒くなってきましたので、くれぐれもペットの体調にも気を使ってください。



沢山食べれば太れるの!?

20113110

  • Posted at 10:56



  季節は晩秋から初冬の季節になりましたが、まだ半袖でも過ごしやすい日があったり、蝶々が優雅に舞っていたり、夏の花がまだ残っていたりと、すっかり季節性がぼやけてしまいましたね。トンボや鈴虫の声に秋を感じていた日々をなつかしくさえ感じます。
自然も、動物も生命のある生き物はすべて「恒常性」と言って、生命活動をするべき条件を一定に保つために微調整をする機能を備えています。微調整ができているうちは多少軌道から外れることがあっても問題は生じませんが、大きく外れる、常に外れる、あるいは調整を行う機関が障害をうけるなどがあると、その恒常性はもはや保つことができません。それが、自然災害であり、病気とも考えられます。


  今回は最も身近な恒常性である、「摂食量」についてのお話です。最近は肥満動物が増加しているのは周知の事実です。内分泌疾患などがない限り、多くの場合は飼い主さんによるおやつや食事の与えすぎが原因となっています。ところが、逆に「痩せている」悩みをかかえている場合もあります。このような場合、一般的に「たくさん食べれば太るはず」と、給与量を増やしますが、それでも一向に体重は変わりません。それどころか、常にウンチは緩く、たまに血便もでるような状態になることがあります。ところが元気に毎日走りまわっているのでなんとな~く時が過ぎてゆきます。実はこの場合、食事の摂食量は、少ないのではなくて、この個体に必要な量よりも多いために逆に体重が増えないことがあるのです!しかし「摂食量を増やす=体重増加」という公式が頭の中で成立している飼い主さんにとって、痩せているのに食事を減らすのを理解するのは困難です。


  では、質問です。「見た目がやせているが元気」であることと、「ウンチの状態が悪いこと」。どちらが生命に重要な問題でしょうか?このように問いかけられて初めて「ウンチだ!」と気づくのです。たとえばお友達のワンちゃんと愛犬を比較するのは確かに「見た目」であり「ウンチ」ではありません。飼い主さんの言い分も納得です。しかし、何といっても「ウンチは体内の生き証人」。食べ物が体の中でどうのように利用されているのかを教えてくれています。今回の場合、食べても体重が増えないというのが飼い主さんの悩みでしたね。それもそのはず、体の恒常性が正常に働いているのであれば、食事の量が必要量よりも多くなると吸収率を減らして、その分を排泄するというようにして一定体重を保つように微調整を行います。これが正常な機能です。便になる材料が増えるということは、それだけウンチを作る場所である「大腸」に負担がかかり、またそこの住人である腸内細菌のバランスをも崩すことになります。その結果大腸粘膜から出血、そして大腸環境が乱れれば水分の再吸収という本来の役割も十分に果たすことができないためウンチが柔らかい、あるいは下痢となって出てきます。ただし必要な栄養は小腸で吸収されているので、便の量はいままでとあまり変わりなく、また体重も一定であるといったことが生じるのです。


  食事の量や見た目の体型はもちろん重要ですが、「良いウンチ」をしているかどうかということは体の恒常性が守られているかどうかの一つの指標となるのでとても重要です。現在の食事量を活動量や健康状態に合わせて見直し、まずは食事を少し減らしてあげてみましょう。ウンチの問題が解決されると食事から十分な栄養を吸収できる能力が上がり、また腸内環境も正常になり体重が増加する場合があります。なんでもただ増やせばいいわけではないのですね。





 




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寒くなってきましたので、くれぐれもペットの体調にも気を使ってください。





 最近気になる報告がありました。それは、「『乾燥おからテンペ」は犬の便の状態を改善するのでドッグフードに使用できる」というものです。便は体内環境の鏡。便の状態が良いのは健康維持に欠かすことの出来ない要因です。「だったら、うちのコの食事にも今日からおからを…」って思ってしまいますが、「おから」ではなく、「おからテンペ」であり、さらに「乾燥」おからテンペです。いわゆる私たちの知っているおからと何が違うのでしょうか?また、乾燥おからテンペの代用を一般的なおからでできるのでしょうか?

 何はともあれ、まずはおからについて知っておきましょう。おからは、豆腐を作るために生じた大豆の搾りかすですが大豆に含まれる蛋白質の20%、脂質の25%がおからに残り、またカルシウムや食物繊維が高いのが栄養特徴です。その食物繊維の多くは便通を促進する働きのあるセルロースですが、オリゴ糖といわれる腸内で善玉菌を増やして腸内環境を改善する働きがある食物繊維も含まれています。なるほど、おからは犬の健康によさそうな気がしますね。

 一方、テンペは大豆を発酵させて作った食品です。つまり一般的なおからが発酵食品ではないのに対して、テンペは発酵食品ということになります。おからが食べてから腸内で発酵するのに対して、テンペはあらかじめ発酵したものを食べるのです。なぜ、テンペは発酵させてから食べるのか?それは発酵させることにより大豆中の栄養素が微生物や酵素により分解され栄養として消化吸収され易い状態になるからです。牛乳にお腹が弱くても、ヨーグルトは大丈夫なことがあるのはこういった原理によるものです。ところが、その栄養を狙っているのは様々な微生物も同様です。分解されればされるほど活動に必要なエネルギーを得るといった結果になります。栄養は欲しいけど微生物による悪影響は避けたい。これをかなえるのが「乾燥」という方法です。高熱による乾燥では微生物を死滅させ、かつその働きを活性化させる酵素の働きを制限します。その結果ある程度発酵した状態から、さらに発酵しないようにコントロールできるのです。肉食動物は腸管が体長比に対して短いため、過剰な発酵は腸内環境を乱す結果となります。何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。身体に適した種類の食品と食べ方が重要であることはこのことからも伺えます。

 以上のことから考えると、一般的な「おから」を直接フードに混ぜることは、その量にもよりますが肉食動物にとってはデメリットもあるのだという認識が必要なようですね。よく、「フードにおからを混ぜて与え始めたら体重は減ったが、下痢になった」などというのはこの典型的な結果です。

 また、おからは100g中に11.5gの食物繊維が含まれます。10gでも1g程度食物繊維が増えます。キャベツ100gに1.8gの食物繊維が含まれることを考えれば1gの食物繊維というのは思いのほか腸内に影響があることも考えられます。さらに、おから100gには3.6gの脂肪が含まれているので、これは鶏のささみ100g中に0.8gしか含まれないことを考えると意外と多く含まれていることが分かります。

 よって、結論は、一般的なおからは、乾燥おからテンペの代用として同じようにペットフードにまぜて使用することは難しそうです。もし、便の状態を改善するために与えたい場合は、新鮮なおからをごく少量与えてみるか、または乾燥おからを利用し、便の様子を観察しながら適量を見つけるなどすると良いでしょう。また、オリゴ糖のように善玉菌を増やしたいのであれば、キャベツやブロッコリーなどにも含まれているので、このような野菜を適度に利用する方が簡単で安心すね。

 「健康に良い」という情報を得たときこそすぐに飛びつかずに、その利点と欠点を知ることで判断するのが本当に「健康に良い」ことかもしれませんね。

さて、今回は前回に引き子犬の軟便や下痢の原因となるフードの「与えすぎ」がなぜ起こるのかについてお話しします。

 最初にこのようなトラブルがあるのは子犬を家族に迎えたころです。子犬は新しい環境に慣れるまでストレスを感じ、このストレスは消化器官に影響を与えるからです。そのため最初はペットショップで与えていた食事と同じものを同じ量だけ、同じ形状で与えるのがベストです。そうすることで環境の変化を少なくし、子犬を新しい環境に早く適応させることができます。

 子犬は毎日成長して体重が増えていきます。食欲も旺盛で、もっと食べたいと催促します。小型犬は生後4カ月前後で、大型犬は生後5か月齢前後で成犬予想体重の約1/2になるとされています。そのためこの時期までの子犬の体重増加率は、それ以降よりも急激であり、そのため給与量は成長期のなかでは最も多くなっています。

 次の成長段階は4~5か月齢以降です。この時期は人間でいえば思春期から一気に大人へとかけあがる時期です。思春期はよく食べますが、大人になるに従い必要なエネルギー量が減るように、成犬になるまでに徐々に食事量を減らしていきます。ところが、人間である飼い主にとってまだまだ「赤ちゃん」というイメージが強く、この時期に上手に食事量を減らせない場合が多いのです。ところが本来は減らさなければいけないので、4~5か月齢以前のように体重増加に伴い、食事量を増やしていると生じるのが、軟便や下痢のような消化器症状が生じます。消化しきれなった未消化物が便中にでてしまっているだけならばまだいいのですが、これはパート1でも書いたように腸内細菌叢を乱す原因にもなります。腸内細菌叢には栄養吸収のほか、腸内環境や免疫力にも関わっていました。よって、この時期にこの過ちを見逃すと、まだまだ成長しなければならない時期に成長が滞ってしまうのです!

 では、そのくらい減らせばいいのでしょうか?それぞれのラベルの給与量を目安に、便と体重増加および体型が適度な状態を保てるように調整をしていくのが最も簡単です。ラベル表示を見るとこの時期を境に食事量が減っているのが一般的です。その後は小型犬では半月ごと、大型犬では1ヶ月ごとを目安に体重が一定になってくるころまでに食事量を10%程度ずつ減らしていきます。小型犬は8か月、大型犬では12か月ころが目安です。この時期に上手にフードを減らすことができないと、犬に食ムラが生じ、かつ無理やり食べさそうとした結果、便の調子が悪いといったことが生じます。さらに、子犬が食べないのはおかしいと感じる飼い主さんは何とか食べさせようと、主食以外の食べ物の量が多くなったりします。このようなことを繰り返していると、犬は健康な身体を作れないばかりではなく、偏食になることが多くあります。この時期に偏食癖をつけると後の食事矯正が大変になることも知っておくとよいでしょう。

 そして、成長期仕上げの段階です。小型犬は12か月、大型犬は1年半~2年を目安に成犬と同じ給与量へと減量し、2週間くらいをかけ、今度は成犬用フードへと移行をします。この時期に去勢や不妊手術をした場合は必要なエネルギー量は、そうでない場合よりも10~20%減らすのが一般的です。子犬用フードと成犬用フードは見た目が同じですが、栄養構成やエネルギー量がことなるため移行に時間を十分にかけないとここでも軟便や下痢の可能性が!!
 このように、成長期の子犬への食事の与え方は、多少手間がかかりますが、この時期の確実な犬育てが将来の健康につながるので、しっかりと育てていきましょう。また、各メーカーにより給与量の指示量や方法がことなるため、ラベルをしっかり読んでくださいね。

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