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雑記帳

進化する動物病院(その5)
1999年7月20日

 私は昭和41年に大学を卒業し、現在の病院の先代の大先生の門をたたいた。このころは代診を置いてくださるところがほとんどなかった時代であった。2年の約束で代診をした。その後、品川区で開業をしたが、思い出してみれば開業しても何も判らなかったので、今だったらクライアントさまにしかられるかもしれない。でも、このころはかかる側もそんなもんだと思っていたのでしょう。実際には犬の病気のほとんどが寄生虫主体で、中でもフィラリア症がそのほとんどを占めていた。
 この時代のフィラリア症が私たちの学問の発展に大きく貢献をしていると思っている。それは、まだアメリカの学問が一般の開業者の手元にはなく、何とかしなくてはならないと思う使命感のようなものが芽生えていたからである。その時代から現在有名になっている臨床の先生方のほとんどが循環器を得意としている。各研究会が盛んに行われるようになったのもこの時代である。心電図研究会、麻酔研究会というものができ、どちらも循環器に関係があり盛んに研究発表が行われていた。公のもの意外でも、仲間が集まり小グループとして研究が盛んに行われた。私は、”皐月会”に属し、そこで知り合った先生の紹介で”のぶしグループ”に入れてもらった。この研究会はフィラリアを主体に研究しているグループで、開胸してフィラリアを摘出していた。麻酔器は原始的なもので、手風琴のような呼吸バックを押して呼吸維持をさせ、麻酔薬はそのころの最新でペントレンを使用した。それでもこのころは最先端の研究をしていたグループと今でも思っている。
 この研究会は、会員の動物病院で診療が終わってから研究に取り掛かったので、埼玉県の浦和を中心に、大宮、所沢、川越、岩槻、その他散らばっていた。私はまだお金がなく、スクーターしか買えなかったので、品川から浦和までスクーターに乗って行き、そこからまた自動車に乗せてもらい会場の川越、所沢などによく行ったものだ。したがって帰ってくるころは夜が明けていた。これは毎週集まっていたが、集まって何かをすることがとても楽しく感じられ、新しいものが成功するととてもうれしかった。このころの会員は私より10歳年上の先生が一番若く、私はとてもこの会に入れてもらえないと思っていたが、親切な先生方で快く入会させてくださったことが今でもうれしく思える。そして若い分どの先生からもかわいがっていただいていた。しかし、現在ご健在の方が少なくなっていることに心が痛む次第である。
 私は今もこの時代の意気込みがまだ続いているような気がするだけ、若くいられるのだろうか。


 

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