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雑記帳
進化する動物病院(その2)
1999年3月19日
物価という意味でも、昭和28年頃とは大きな隔たりがある。
ジステンパーの1種ワクチンが出来たのはいつ頃だか知らないが、そのころのジステンパーワクチンの注射と今の5種混合ワクチンとは値段もほぼ同じようであったように思う。かけそばが一杯、15円から20円位の時の話である。
その値段の高さを考えると、飼い犬にワクチンを接種する家庭は少なかったのではないかと推測される。戦後の混乱から次第に復興してきていたとはいえ、まだまだ人間自体が生きていくのに懸命になっていた時代だ。犬に高額のワクチンを注射出来るだけの経済的体力のある家の方が、圧倒的に少なかったはずである。
従って、当時は商売で犬を売り買いしている犬屋さんから子犬を買ってきてもそのほとんどが病気であった。獣医師になってから考えると、今ならワクチンである程度予防できるジステンパーや、優れた駆虫剤が開発されている寄生虫による病気であった。犬のおかれている環境に問題があったのだろう。元気に育つ犬はというと、誰かの家からもらうか、買うかした「素性の知れた」犬だった。我が家も犬を絶やしたことが無かったが、今おもうと本当にペットの生活環境という面では時代が変わったのだと実感する事が多い。お店について言えば、犬屋さんも呼び名がペットショップとなり、買ってきた犬の病気も格段に少なくなって店内の環境が清潔になったことがその証拠である。
そのころには、犬は5才ぐらいが寿命で、6才といえば長生きの方だった。現在は15才以上の犬がざらにいる時代となったことを考えると、すごい長生きになったことが判ると同時に、恐ろしい感染症が少なくなったことも一因だと思う。

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