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雑記帳

動物病院と森(I)
2004年2月29日

  私の経営理念は“森を作ろう”をテーマに、森つくりに重点を置いてきた。ただ単に森を作ろうといっても何のことか解らないと思うのでそのことについて分割して話を進めてみる。
まず、面接をしたときに“ハヤシとモリの違いを知っていますか?”と質問をする。人によってさまざまの答えが返ってくる。森(杜)は木がたくさん茂っているところ。また、大木の茂る神聖な場所、神の降下してくるところなどを意味している。林は多くの木が群がり生えているところ。同種のものごとが多く集まっているところのたとえにもなっている。モリとハヤシは自然とその習慣から無意識のうちに森や林を思い、また森や林を自然と使い分けている人が多くいる。これが常識であり当たり前のことである。ではどのように林と森を使い分けているのであろうか。林の中に雑木林、竹林、杉や檜の林もある。モリには森、守、盛(古墳など)、鎮守の杜などを含めモリと言う字には、多くの木が茂っており神様と関係がある神聖な場所のように想像できる。

 森は木そのものを活かすことによる恵み、木材の生産、それ以外に、私たちの暮らしを支える様々な機能がある。酸素の供給源および二酸化炭素の貯蔵庫である。樹木は光合成を行い、これは人間が食事を取るのと同じ事である。光合成は太陽のエネルギーを利用して、炭酸ガスと水から炭水化物を作り酸素を放出する。さらに二次的に香りを作り、多彩な外敵から身を守っている。森の中では樹木は激しい生存競争が展開されているが、いつでも喧嘩をしているわけではない。お互い助け合って、様々な生物を育み守る力がある。小鳥が巣作りをする。動物達が住むほこらもある。豊かな木の実も豊富にあり、落葉樹の中に住む虫達も元気がいい。小動物たちがかけずり回り、排尿排便をし、またその死骸がある。命つきた生命のその油や血、そして筋肉の栄養分を大地が吸う。その結果非常に健康な強いエネルギーを持った木が天をつくように伸びることができる。秋にドングリなどの木の実が数多く大地めがけて落ちるが、その実全て芽を出し育つものではない。必要があるものは育ち、そうでないものはそのまま淘汰される。様々な野生動物や野鳥、昆虫などの生命を保護し育てている。ということは多種多様な動植物の生活圏である。名も知らない木や草、小さいスミレの花だって持つている個性を発揮し自分の美しさを表現している。この原理は全て太陽や周りの自然の理にかなった環境で決定される。大きな森は森林となる。緑のダムといわれる水資源を蓄える働きがあり、飲料水だけではなく、工業生産を支え、さらに森の豊かな栄養を平野の田畑や海へと運び、農産物や海の生命を育む。また、地下に張り巡らされた木々の根が土砂の流出や崩壊を防ぐ働きも重要である。 森は放置しておいてかってに育つものではない。また、荒れ果てれば中に入れないような森になる。はじめから素敵な森は無い。昔から人の手によって雑木林が育てられて立派な森になる身近な自然であり、共生してきている。時には嵐が襲い、木立の枝が折れることもあるだろう。いつも心地よい風が吹いているとも限らない。無理のない自然の環境から森の育成を考える必要がある。

 この続きは次回(II)にてお話します。


 

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