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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


「レバー」のお話 2009.6.30

 愛犬が喜んで食事をする姿は飼い主にとっても嬉しい時間です。そのため「好きな食べ物をねだられると、ついつい与える量も増えていってしまう!」その気持ちもよく分かります。「与えすぎれば肥満になるけど、見た目も可愛いし、まっ、いいか」という考えも…というわけにはいかず、これには同意するわけにはいきません。基本的に何でも「過ぎたるは及ばざるが如し」で与えすぎは禁物ですが、特に「与えすぎていないはずなのに、結果与えすぎている食品」には注意が必要です。その代表が、今回お話する「レバー」です。
 レバーは、犬や猫の嗜好性が最も高い食品の一つです。犬や猫は最初に食べ物を臭いで判断し、そして味か確認します。大好きな臭いは「脂肪臭」。大好きな味は「アミノ酸」。レバーにはこの二つが豊富に含まれています。その他にも、鉄、銅、ビタミンD、ビタミンDやビタミンB群が豊富です。「愛犬や愛猫も大好きで栄養も満点!食べたいだけ食べさせたい」ところですが、「栄養満点」なのは、いいかえれば「栄養過剰」になる可能性が高いということを忘れてはなりません。特に、ビタミンAの過剰摂取は、犬や猫に中毒症状を起こします。どの位栄養満点なのかを、鶏レバーを例にとって次によく与える食品である「鶏のささみ」と比較して見ましょう。それぞれ100gあたりのエネルギーは、レバーが111kcal、ささみが105kcalです。ここまではどちらも大差がありませんね。次に脂肪は、レバーが3.8gで、ささみは0.8gです。重さで比較すると人間からみればそんなに違いは無いように感じますが、3.8gで約34kcal、0.8gで約7kcaと、レバーはささみの約5倍の脂肪を含んでいます。タンパク質はレバーが18.9g、ささみが23gです。身体を作るために大切なタンパク質を必要量とろうと思うならば、脂肪が多いレバーよりもささみの方が効率よくとることが出来るのが分かりますね。さらに、ビタミンAはレバー100g中に47000IUささみには17IUです。AAFCO(米国飼料検査官協会)による犬のビタミンAの許容量は最大250000IU、猫が75000IUです。レバーは平均1コ生で50g程度なので、レバーだけを考えれば中毒が生じるまでの問題がないように感じますが、実は二つの問題点があります。一つはペットフード中にはすでに十分量、あるいはそれ以上のビタミンAが添加されているということです。もう一つは肝臓という臓器の働きにあります。肝臓の主な働きは身体に必要な様々な栄養素の合成と分解、代謝のほかに「解毒」という作用があります。レバーを食べるということは、その肝臓を食べるので、当然「毒物」も蓄積しています。よく、生食では肝臓も生で食べることを進めていますが、それは本当に自然で無添加な飼料で育った鶏の場合です。当然その肝臓にも体内で生じた毒素は蓄積していますが、健康な肝臓はそれを食べて解毒する働きがあります。そのため一般に市販されているレバーには、栄養も豊富ですが、毒素も豊富だとういうことを忘れてはなりません。毒素は脂肪に蓄積するため、ゆでて、あくや余分な脂肪を取り除くことで大分取り除くことはできますが、いずれにせよ、レバーという食べ物は大量に食べる食べ物ではないということです。
 与える量の目安は、手作り食の場合で1週間に一度、1日に与える肉の量の半分とされています。しかし、いきなり半分量を与えると便秘になる傾向があるため1/4~1/3にとどめておいた方が良いでしょう。これを考えるとペットフードが主食となっている場合は、時々、ほんの少量(5gでも2350IUです!)ということを覚えておいてくださいね。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED