» 医局員名簿
 ┣ 医局獣医師名簿
 ┗ 医局動物看護師名簿

» 研修室
 ┣ 学会誌
 ┣ 各学会・年次大会
 ┣ 小動物専門誌
 ┣ 動臨研カンファレンス
 ┗ 個人・その他

» 院内日誌

» ペット栄養学教室

» パピークラブ

奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


「愛犬はベスト体重!」・・・に見える? 2009.5.31

 もう夏はそこまで来ています!この時期、ダイエット業界は花盛り。それもそのはず、人は薄着になれば、冬の間隠されていた余分な脂肪が目に付きます。一方で愛犬はどうでしょうか?ほとんどの犬種は季節に応じてアンダーコートが生え変わるため、被毛の多い犬種は冬よりもほっそりとみえたりします。とろこが、飼い主さんの目には「プラスマイナスゼロ」の発想からか、被毛の変わりに脂肪がついていても全体として「見た目」が同じだとあまり気にならないのでしょうか?
 先日、イギリスのペットフード工業会でこのような報告が発表されました。「3匹に1匹は肥満であるにもかかわらず、愛犬を肥満だと感じている飼い主さんは10%以下ある」というものです。そしてその原因はペットフードの給餌量にあると指摘しています。実際にペットフードの給餌量は計算により分析してみると、実に様々で、すべてのフードが同じ基準にもとづいて、適正だと考えられる給餌量を提示しているわけではありません。よって、たとえ同じ目的で作られたフードであっても、それぞれ給餌量は異なります。しかし、多くの場合、同じ目的の異なるメーカーのペットフードを使用するときに、飼い主さんは「まえのフードもこのくらいだから、今回もこれくらいかな」といった感覚であたえることが多いようです。一方で、「ラベルの給餌量に従い与えているのに太る」といった場合も当然あります。この原因は、ひとつは「飼い主さんの性格」です。ペットフードの給餌量は「~g」と示されていますが、実際に軽量する飼い主さんは少なく、「目分量」で与えます。この目分量、人の食べ物とドッグフードでは大違い!特にドライフードは水分含有量が6~10%と少ない分、栄養とエネルギーがギュッと凝縮されており、「たったの10粒」の違いが「大きなエネルギー」の違いなのです。一方で、その違いは見た目ではわかりません。また、ペットフードの給餌量は、洋服でいえば「既製服」のようなもの。「一般的にはこのくらい」とういう量なのです。既製服はどこかぴったりしないところがあるように、食事というのも「個体」に適していなければ適正体重は維持できません。
 先日とてもかわいいサマードレスをきてお散歩中のワンちゃんに会いました。飼い主さんによれば、服を着せている理由は「年をとって、毛艶もなくバサバサとした上に、毛が伸びなくなってみっともないから洋服で隠しているの」といって、めくってくださったサマードレスの下にみたもの。それは薄くなった被毛と「たっぷりの脂肪」でした。おそらく被毛が薄くなっているの原因は高齢だけではないでしょう。
 人間というのは「見た目」に左右される動物。言い換えれば「見た目にごまかされる」動物なのでしょう。「なぜ」そうなったかを考えるよりも見たくないものは「隠す」という方向へ意識が働くのでしょうか。もちろんそれで問題が解決することも多くあります。しかし、愛犬の肥満は「万病の元」。見た目の裏に隠されている原因を考えてほしいと思います。
 「肥満になったのは飼い主さんの責任、病気を背負うのは愛犬の責任」。そんなの不公平だと感じませんか?


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED