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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


「気温の低下」は要注意! 2008.12.31

 2009年の幕開けです。寒い日が続きますがお元気にされていますか?冬は何かと体調を崩しやすい条件がそろっているため、体調管理にも一段と注意が必要です。今回は気温の低下が身体に与える影響とそれをサポートする食事について考えてみましょう。

 気温が低下すると、当然「寒い!」と感じます。これは気温の変化で体温が変化しないように身体がとる防衛策です。体温の変化は体内環境を大きく変えるからです。各個体に適した体温は、その身体が最適に働くことの出来る環境を維持するように頑張っています。これが、気温が下がると体温を保つためにいつもより食欲が増す理由です。一方で、いつもと同じ量を食べているのに太る、下痢をする、あるいは便秘をするといった経験がありませんか?このことは人も動物も同じで、次のような理由によります。

 身体は体温を保つために毛細血管が収縮するため、いわゆる「血行が悪い」状態になります。血行が悪くなると血液と一緒に各細胞へ栄養と酸素が十分に行き渡りづらくなるので、諸機能の働きも鈍くなります。すると、脳からの指令の伝達役であるホルモンや自律神経にも乱れが生じ、普段とは異なった結果が生じるのです。たとえば、太る場合は基礎代謝の低下、下痢や便秘は消化能の低下など考えられます。単純に基礎代謝が低下している場合は食事量を調節する、運動量を増やして筋肉量を増やす、マッサージなどで血行を促進するといった工夫ができます。一方で下痢又は便秘の場合は、食事の与え方や生活環境以外にも重要なポイントがあります。それが「水分摂取」です。

 一般的に寒くなると自然と水分摂取は少なくなる傾向があります。しかし身体の60~70%は水でできているため生命を維持していくには、水分摂取量が減るのは身体本来の働きにマイナスであり、好ましくありません。このような状況で、人間は温かい飲み物や食べ物でその不足を補いますが、ドライのペットフードと水が年間を通した主食の場合には、水分の必要量は低下する傾向にあります。このことが犬や猫では冬に尿石が生じやすい原因の一つです。また水分摂取不足は便秘の原因にもなり、逆に大量の水を飲んだ場合には下痢を生じることがあります。若く健康体であれば、このような変化は対応可能ですが、高齢の場合、あるいは腎臓や心臓に疾患があるような場合は変化への対応が難しくなってきます。では、体温維持をサポートしながら水分摂取を促すにはどうしたらよいのでしょうか?

 そこで、「手作りスープ」の登場です。鶏肉を煮込んで濃縮したスープを作り、冷蔵庫で保存しておきます。コラーゲンが固まるので、少しずつお湯で溶かしてスープとして与える、あるいはそれをフードに混ぜるまたはふやかすなどすることで水分を食事と一緒に取ることができます。熱いと舌などをやけどするため、人肌程度にすることが大切です。また、抵抗力を高めるサポートをするビタミンCやビタミンEを含むかぼちゃやサツマイモとチキンスープをペースト状にしたスープは、エネルギー補給にもなり冬のおやつにぴったりです。

 身体の中で起きる変化は、何らかの目に見える形で注意信号を送っています。よく観察し、寒い冬を乗り切りましょう。特に、気温差が激しい日にはより一層気を配りましょう。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED