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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


身体にも、地球にも、お財布にも優しい商品選び!? 2008.8.31

 今年は本当に値上げ」が目立ちますね。その根底は「石油価格の高騰」なわけですが、これほどまでに石油という資源が生活全般に関与しているとは!油田を所有する国が富み、またそのせいで戦争にまで発展するのもうなずけます。さらに、それらの国に対して油田をもたない先進国は新たに石油に代わる「バイオ燃料」の開発へと矛先をかえます。その結果、石油関連商品だけではなく、バイオ燃料の原料となる穀類をはじめ、それに関わる商品までもが次々と値をあげています。
 一見、「こんなに不景気で世の中はどうなるんだ~!」とマスコミのあおりも手伝い不安になりがちですが、一方でこのような一連の出来事は何かに「気付く」ために生じた大切な出来事ではなかったのかと思います。例えば、ガソリン代の高騰により、人々はマイカーよりもバスや電車といった交通手段を選びます。地球温暖化のもとである二酸化炭素削減に一役買います。多くの漁船が休漁日を行っています。乱獲を軽減できます。食用油などの油脂の値段があがります。日常生活で余分な脂肪分の摂取が減り、健康的な食生活を見直す結果になるかもしれません。経済の流れで考えれば大打撃ですが、地球規模で考えれば悪いことばかりではないのではないでしょうか?
 一方でもっと身近なことで私が一番心配しているのは、人々のそしてペットの食生活です。なぜなら節約の矛先は「食費」へ向けられる傾向が高いからです。多くの場合「値段」で購入商品を決めることが多いと思います。しかし、安い商品は家計には優しいかもしれませんが、身体や地球には優しくないことが多く、さらにいくら安くても量を多く摂取していれば結果は同じ、またはかえって高くつくことがあります。
 このことを缶詰のペットフードで考えてみましょう。たとえばどちらも100gのペットの缶詰フード商品Aと商品Bがあったとします。Aには蛋白質が8%含まれ、値段は200円。B蛋白質が7%で値段は180円だとします。値段の比較では、商品Bを購入すると思います。では、「栄養」の比較ではどうでしょうか?缶詰フードは約75%が水分なので、実際の栄養部分は残りの25%です。そこに蛋白質がそれぞれどれだけ入っているのかを計算すると、

商品A  8÷25x100=36%
商品B  7÷25x100=28%

です。それぞれ100gの缶詰なので、A商品には100gあたり36g、B商品には100gあたり28gの蛋白質が入っています。蛋白質は身体を作るために大切な栄養素なので、必要量を毎日食事から摂取しなければなりません。仮に1日に36gの蛋白質が必要な場合、商品Aでは100gで必要量を摂取できますが、商品Bでは、約130g必要ということになります。これを1日分の食費で換算すると、商品Aでは200円ですが、商品Bだと234円になります。
 つまり、安いと思って購入した商品は結果として高くついていたということになりますね。
同じ食材でも、高品質であれば、少量から必要量の栄養素を摂取できるため、摂取量も少無くて済むのです。よって、肥満を防ぎ、また経費の節減にもなる上に糞便量も減るので地球にとっても優しい結果となります。

 私たちの食生活を含め、ペットの食事も「値段」だけではなく、「栄養素」を比較して商品を選び、身体が求めているものを効率よく摂取し、身体にも地球にも、そしてお財布にも優しい商品選びをして欲しいと思います。

 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED