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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


食事の切り替えはなぜ徐々に行うのでしょうか? 2008.7.31

 新しい食事に切り替えるとき、必ず「1~2週間かけて徐々に行ってください」という指示がありますが、なぜそうなのかを考えたことがありますか?答えは「消化器官」にあります。
 食べ物は口から入ると、消化、吸収を経て代謝され、身体が利用できる栄養素に作り変えられ、また身体にとって不必要である物質は分解されて排泄されるという仕組みになっています。そして、消化には「水」と「消化酵素」が必要です。消化酵素は食べ物に含まれる蛋白質、炭水化物、脂質に対応して必要量を分泌し、十分な消化を行います。ということは、食べ物に含まれる水分量や栄養構成が異なれば、当然消化酵素の分泌量も変化してきます。また、栄養をどれだけ吸収できるかに関わる腸内環境も食べたもの栄養構成により異なります。よって、食べるものが異なれば腸内環境も変化し、その結果を見られるのが便の状態です。このことは、私たちが海外旅行などへ行った時に、たとえ食べたことのある「鶏肉」でも異なった調理方法やスパイスが加わることにより下痢や嘔吐を起こすことを考えると想像がつきますね。言い換えれば消化器官が突然見知らぬ環境に出会い、びっくりしている状態とでもいいましょうか。 
 ペットフードは見た目がほぼ同じなため、一見「同じもの」を与えていると錯覚しがちですが、フードのラベルを読むと分かるように、それぞれ異なる原材料で作られています。よって、消化器官は新しい食べ物になれるために「移行期間」が必要となります。そのために必要なのが1~2週間と考えられているのです。「うちは三日で大丈夫だったわ」という場合もあります。この場合はおそらく同じメーカーのドライフードからドライフードへの切り替えの場合が考えられます。メーカーが同じ場合は、使用原材料はほぼ同じで異なる栄養構成により、目的の異なったフードを作っているからです。また、ドライからドライなので水分含有量もほぼ同じです。但し、維持用フードから減量用フードといったように「目的の異なる」フードへ切り替えた場合は、もう少し慎重に移行したほうが良いでしょう。特に、減量用フードには食物繊維が維持期用よりも多く入っているのが一般的です。食物繊維には水を吸収する性質があるため、水分摂取量が増えないと一時的に便の出が悪くなることがあります。健康な動物ならば、身体が必要とする水分量は自ら調節できますが、急な変更はロボットでない限りできません。よって、徐々に切り替えることが望ましく、最低1週間は様子を見たいものです。メーカーが異なる場合は、原材料と食物繊維の両方がことなる場合が多いため、もう少し時間をかけるほうが良いでしょう。また、同じ食物繊維源でもその精製方法が異なると水分吸収率が異なります。
 このようなことから、食事を切り替えるときにはラベルの原材料を比較し、いままでと違う原材料を確認しておくと、仮に消化器症状が起きても問題の糸口が見つけやすいでしょう。


 

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