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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


上手はどっち!? 2008.6.30

 「すぐに飽きて食べなくなる」という飼い主さんの悩みは、相変わらず悩みの上位を占めますが、みなさんのお宅はいかがですか?
 以前に、その悩みを解消すべくいくつかのトッピングの仕方についてコラムを書きました。そのときのポイントは、①フードの「におい」をかえる②エネルギー全体の10%以内にする③上に「のせる」のではなくてフード全体に「絡ませる」というようなことをポイントにお話ししましたね。「フード」といっているので、手作り食の場合このような悩みが生じないのかと思いきや、実は手作り食でも同じように飼い主さんを悩ませることがあります。いずれの場合も飼い主さんは、犬が食べないのは「同じ食事に飽きたのでは?」と考えることが多いようです。この考えが正しければ、トッピングを加えてにおいに変化を付ける、あるいはフードを変えたり、食材を変えたりすると良く食べるようになるはずです。確かに、このような方法を試みれば、一時的に良く食べるようになりますが、また時がたてば同じような問題が生じます。すると、飼い主さんはまた食事に変化をつける、内容を変更する、それなのに犬はしばらく良く食べて、また食べなくなる….という悪循環を繰り返します。こうなると、飼い主さんもお手上げです。いったい何をあげればよいのか分からなくなり、以前は楽しかった食事選びが、いつの間にか悩みの種へと変わっていった経験はありませんか?食事は生きるためでもありますが、楽しむことも重要です。決して苦痛を感じるためのものではありません。
 では、なぜこのような悪循環が生じるのでしょうか?これが今回のタイトル「上手はどっち!?」の意味するところです。たとえば、外国旅行へ行くと、その土地の食事は珍しさも手伝っておいしく感じます。しかし、1週間もいて成田に帰ってくるころには「あ~お茶漬けが食べたい!」と感じたことはありませんか?食は文化と結びつき、身体はその食文化により培われているのです。よって、体が安心するのは「いつもの食事」なのです。しかし、新しいものを知ればそれを食べてみたいと思うのは当然ですね。では、犬はどこでそのようなことを学習しているのでしょうか?実は「飼い主さん」から学習しているのです。食事を頻繁に変えれば変えるほど、新しい食べ物を加えれば加えるほど、「もっとおいしい食べ物がある!」ということを学習しているのです。学習してしまえば、当然そちらを食べたくなります。また、そこには飼い主さんと犬の心理ゲームも隠されています。犬はここでも飼い主さんからどうすれば、このゲームに勝てるのかを学習しています。そう、「食べなければ」勝てるのです。
 この悪循環をどこで断ち切るのか?鍵を握るのは「犬」ではなく「飼い主」さんです。もし、食べないそぶりを見せてもそばであたふたと心配せずに、ちょっと、その場を離れて他の仕事でもしてみましょう。何回か飼い主さんの様子を見に来るかもしれませんが、気がつかぬふりをしてみてください。来なくなった頃に、探してみると結構普通に食べていたりします。そして、きれいに食べたら、ほめてあげましょう。「えっ、何で?」と思うかも知れませんが、犬は飼い主さんに褒められるのが大好き!「食べたら、褒めてもらえる」という良い条件付けをすることが大切です。また、このとき何か少しご褒美を上げるのもいいですね。
 犬が飼い主さんより上手なのは「うちのコって賢くて可愛い~」と感じるかもしれませんが、飼い主さんは犬より上手でいたいですよね。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED