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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


暑くなりかける季節に注意! 2008.5.31

 なんだか、突然夏のような気候が続いていますね。この時期は人間もだるさ倍増で、つらい時期ですが、ワンちゃんたちにとっても何か辛いことはあるのでしょうか?
 おおありです。実は春の後半から初夏は、人間以上に彼らにとっては大きな変化のときなのです。
 最大の変化は「気温」と「湿度」です。暑いとき、人間は汗をかきます。これは、体内に熱が蓄積しないように体表から汗という水と一緒に空気中に熱を逃すというからだの働きです。ところが、みなさんもすでにご存知のように犬や猫には、その働きをする汗腺がパッドのところにしかありません。そこで、パンティングをすることで体内に蓄積した熱を放散します。ちょっと暑くなると彼らがすぐに口をあくのはこのためです。ところが、ここに湿度が加わると、空気中に水分が気化できなくなります。それがあのベタベタ感です。こうなると汗腺もふさがるため体内に熱がたまります。その解決策がシャワーで汗を流したり、プールの水で身体を冷やすという行為です。犬や猫も同様で、湿度が高いと、パンティングも功を奏しません。そうなると、体内では心臓がさらに血液を全身に送り、熱の蓄積を防ごうと働きます。汗をかき難い人は経験があると思いますが、この季節心臓がバクバクとした経験はありませんか?実は見えないところで心臓くんが頑張ってくれていたのですね。犬や猫は、この汗で熱を放散できない人間のようなものなので、心臓にかかる負担は倍増です。さらに、ここに「肥満」という要素が加わると….
 このように、外部環境の変化は、同時に体内環境の変化でもあります。また、体温調節に使われるエネルギーは、冬よりも夏の方がかかりません。よって、夏場に食欲が低下するのは当然なのですが、冷房のため食欲が衰えることがなく、いつもどおりに食べる。結果「夏太り」です。犬や猫では、食欲が落ちると心配になる飼い主さんは、好きな食べ物や冷たい食べ物を与える。おやつの量が多くなり主食がたべられない。など、食生活に乱れが生じます。つまり、良かれと思ってしたことは、実は環境の変化に対応しよう頑張っている身体にさらにムチを与えていることになります。「それは違うよ」と教えてくれる信号の一つが「軟便や下痢」です。この時期お腹の調子が悪い子が多いのもうなずけますね。
 このような季節に気をつけたいのは、まずは環境の変化に対応した「生活の見直し」です。散歩の時間を涼しい時間帯にずらすことはもちろんですが、散歩の長さも気をつけましょう。気温や湿度が高いと臭いを強く感じます。よって、ワンちゃんたちは臭い追跡に夢中になります。そのまま長い時間散歩を継続してしまうと、その後でぐったり。酷い場合は熱中症になることさえあります。犬自身は興奮しているため、体温が上昇していることに気がつきません。また、夏に季節のサマーカットですが、トップコートは本来身体を外部から守る働きがあます。まあ、日傘のようなものでしょうか。短くしすぎないように気をつけましょう。このようなちょっとした工夫で環境の変化に適応させていけば、食欲が極端にかわることはありません。逆に急に新しいものにする方が体内環境に負荷をかけてしまいます。それよりも、この時期のポイントは「水分補給」。季節の野菜や果物、さっぱりとしたスープなどを利用して水分や失われやすいビタミンやミネラル分の補給を心がけます。脂肪が高い食べ物も消化に悪いうえに、体内で大きな熱を作るので気をつけてください。環境の変化と愛犬や愛猫の出すからだの信号をよく観察し、この季節を乗り切りましょう。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED