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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


なぜ食べない? 2008.4.30

 小型犬の飼い主さんに最近多いのが、「うちのコ食べないんです」という悩みです。そこで、今回はなぜ、「食べない」のかを考えて見ましょう。
 そもそも「快眠、快食、快便」は健康の証。その一つの要素である「快食」が愛犬に見られないのは、飼い主さんにとって当然不安の種となります。まして、あれこれと手をつくしても思うような結果が出ないときはなおさらです。そして、一般的に飼い主さんは以下の二通りの方法を試されていることが多いようです。

  1. 食事の種類を変える
  2. 犬が食べるものを与える

 ところが、いずれの場合も問題は解決されない場合、繰り返される状況にお手上げ状態!こうなると食事自体がストレスになってしまいます。では、なぜこれらは思うような結果が出せないのでしょうか?
 最初に①の場合ですが、犬の消化器官は新しい食事に対して非常にデリケートにできています。新たな食事えの移行はたとえ、同じメーカーの異なるフレーバーや異なるメーカーの同じフレーバーであっても、古いフードに新しいフードを少しずつ混ぜながら、その配分率を変え、最低でも5日間は必要とされると考えられています。まして、水分含有量の異なるフードや従来食べたことのない食事への移行にはより慎重さが求められます。これは、犬にとって何を食べるかという選択は本来「命」に関わるからです。そのためには、体内に取り入れる食べ物は「安全」かどうかを確認しなければなりません。その判断をするのが「嗅覚」と「味覚」です。よって、肉食動物(雑食)である犬は、身体を作るのに不可欠な動物性タンパク質のアミノ酸の臭いを第一に選択します。逆に毒物に多い苦味を嫌います。また、体内では、取り入れた食べ物に対応し、その働きが適性に行えるように環境調整を行います。よって、安全確認をしながら、体内環境を慣らしていくためには時間が必要なのです。にもかかわらず、食べ物を次から次へと変えるということは、犬にとって、また犬の体内においては、「混乱」をきたしているという結果を生じているのです。
 次に②のパターンです。犬が食べるものを与える場合、与える量と時間と種類に問題が生じてきます。特に小型犬では、飼い主さんにとって少量でも、意外と多くの量を間食としてあげているもの。結果食事の時間には空腹感がありません。しかし、食べなくても何かがもらえる。特に食べないときほど犬の嗜好性の高いものを与えるため、当然よく食べます。しかし食べるから食事の時間にお腹がすかないという悪循環が生じます。
 もちろん食欲は健康のバロメーターなので、一概には言えませんが、このように考えると、犬が食べないのではなく、犬が「食べなくさせている」のだとは思いませんか?
犬に生じる多くの問題は実は私たち飼い主が作りだしていることに気づき、改善していけば、飼い主も、犬もストレスを抱えることなく、もっとスムーズに問題解決が出来るかもしれませんね。悪い習慣が悪い「癖」とならないように、出来るだけ早い時期に気付き、改善していくことが大切です。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED