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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


おかゆ? 2007.12.28

 さて、2008年の幕開けは「おかゆ」の話でスタートです。「おかゆ」と聞いたとき、何をイメージしますか?おそらく体調不良の状態を想像しますよね。そのような状態のときに食べる食事であるおかゆは「おなかに優しい食事」というイメージが強いと思います。確かに、お正月の明けの七草粥、風を引いたときのおかゆ、下痢の後のおかゆなどなど。胃腸が疲れているときや消化機能が弱っているときに食べますよね。
 食べ物は口から、胃に運ばれかゆ状になってから胃から十二指腸へと送られます。またその過程では消化酵素と水が重要な働きをします。そこで、その胃の働きをサポートするために最初から「かゆ」という形状にした「おかゆ」は胃に留まる時間を短くするため、胃に優しい食事ということになります。しかし、「おなかに優しいおかゆ」に脂肪の高いお肉や野菜が沢山入っていては意味がありません。脂肪や食物繊維は食べ物が胃の中に留まる時間を長くしてしまうからです。
 「えっ、そうなの!?」と思われましたか?実際にこのような「肉や野菜のたっぷり入ったおかゆ」を愛犬の主食にしている飼い主さんが意外と多いのです。このような食事を主食として与えることは、前述した消化の問題もありますがこのほかにもいくつか問題点が考えられます。
 最初に考えられること、それは「消化能の低下」です。たとえば、右足が骨折してしばらくギブスをしていたとします。ギブスを取ったとき、右足の方が左脚より細くなっていますよね。これは、使わない筋肉が落ちてしまった結果です。眼に見えないので分かりにくいですが、消化器官もまた筋肉運動をしています。よって常に作業を補助していると逆に消化能が弱る可能性が考えられるのです。そうすると、いざ身体が弱ったときの対応が難しくなりますよね。
 次に考えられるのが、栄養素の欠乏です。犬の食事をおかゆにしている飼い主さんは、ごはん、肉、野菜などすべてを煮込みます。そして、色々な食材を入れているので栄養満天と考えているのか、総合ビタミンやミネラルを併用していない場合が多いのです。そうなるとまず考えられるのが水溶性のビタミンCやB群の損失です。スープごと食べれば大丈夫というものの、加熱するとその損失量は増加します。特にビタミンB群は体内で多くの働きを担っているため、不足が生じると代謝が効率よく行われないためにおかゆを食べているのに太りやすいという一見矛盾した結果が生じることも考えられます。また、野菜の食物繊維は犬や人の消化酵素では消化されないため、必要以上に多い食物繊維は胃に負担をかけるだけではなく、消化に必用な消化酵素、本来小腸から吸収されるべき栄養素などをキャッチして便として排泄してしまいます。その中には身体の中の数々の酵素に重要な働きのあるマグネシウムや亜鉛も含まれています。
 よって、おかゆにするなら、ご飯をスープで煮込んだシンプルなもので消化をサポートする、あるいは野菜や肉もペースト状にする、日常食にするならばおかゆではない形状ににするというように「目的に適した食事作り」をすることが大切です。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED