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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


最も良い食事は何か? 2007.03.31

 去る3月23日に、アメリカでは、缶詰やパウチタイプのウエットペットフードを食べた犬や猫が合計16匹死亡した事件が報じられました。原因は定かではありませんが、今までのところ、メーカーが原材料の一部として中国から輸入した小麦グルテンに含まれていた「アミノプテリン」という化学物質であると報告されています。アミノプテリンは、殺鼠剤に使用されていますが、アメリカ合衆国で食物用の殺虫剤として使用することは禁止されています。人間では出世時欠損の原因として知られている一方で、抗癌治療にも使用されているそうです。ニュースでは、大々的に回収されたブランドが列挙され、ペットオーナーは騒然となりました。一方で一部の獣医師は、この原因物質に疑問を抱いているそうです。彼らによれば死因は腎臓障害ですが、この薬品の体内での働きを考えると腎臓障害とは結びつかないといっているそうです。

 リストには大手メーカーの名前もあるため、このようなニュースを耳にすると、ますます何を信じてよいのかが分からなくなるのが現状です。しかし、ここで気をつけなければならないことは「情報に振り回されないこと」だと思うのです。確かに、実際におきている現実は受け止め理解すべきだと思いますが、それがペットフードすべてに対していっているのではないということを認識することです。ニュースで助言をしている獣医師も、回収されているのは缶詰やパウチタイプの商品なので、この件が落ち着くまでは、ドライフードを利用してはどうかと提言しています。そして、歯や食感の問題がある場合には、それをふやかしてあげると良いと加えています。

 しかし、一方で飼い主さんは、手作り食やナチュラルフードが安全だと考えてフードを切り替えようと考えるでしょう。そして、情報収集をはじめますが、宣伝文句はどれも安全で健康に良さそうです。さらに「手作り食」ひとつとっても実に多様な方法があることが分かります。そうなると、ここで飼い主さんの考えは煮つまり「いったい何がペットの健康に良いのか!?」という疑問に戻ってくることになります。

 飼い主さんはどうしても大切なわがコのことを中心に考えるため、一見問題点は「食事の種類」のようですが、実は「情報に振り回されている」飼い主さんの心理状態もまた食の選択を難しくしている場合があります。そこで、ペットのことを考える前にまずは「自分のことについて」考えてみましょう。「どれだけの経費や時間を割くことができるのか?」「自分のライフスタイルとペットの食事形態は適しているのか?」などです。そうすると、飼い主として一貫性を持ち、継続できる「食生活」が見えてくることでしょう。それが分かったら、今度は「何を信じるか」です。現代社会はあらゆる情報が氾濫しています。情報が正しくても、それが自分に適しているとは限らないように、食事もまたしかりです。「食」に対する自分の考えはありますか?私の場合は、「自分の口に入るレベルの食材を食べさせたい」ということです。そして、それを認識したら、実現するためにはどうしたらよいのか?どの食事方法を、どの知識を選択したらよいのかが見えてくるはずです。

 食事とは、身体を、心を、そして毎日を満たしてくれるものです。「楽しい」食事が「不安だらけの食事」にならないように、ある程度の方針を持つことが良い食事選びの基本ではないかと感じます。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED