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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


サプリメントを取り入れる前に… 2007.03.1


 サプリメントは「栄養補助食品」であり、食事あってのサプリメントのはずだったのが、最近ではどうやら本末転倒し、サプリメントが主役となっている傾向があります。その結果人間の世界では年々、サプリメントによるトラブルが多発し、不孝なことに乱用の結果命をおとすケースさえあるのが現状です。そのようなことがペットに起こらないとはいえません。なぜならば、食事同様、ペットの口に入るものは場合飼い主さんの認識によるところが殆どだからです。そこで、今回はサプリメントについて考えましょう。

 サプリメントとは、「食事中に含まれる成分(ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、ハーブなど)から1種類以上の物質が含まれる、口から摂取する製品」とされています。食べものから作られるのだから薬と違い、副作用がなく安全だと考えがちですが、組み合わせ、摂取量や摂取の仕方によっては当然身体に害があります。なぜならば、薬もサプリメントも体内で吸収されると、肝臓で処理され血液中をめぐり、必要量のみが利用され不必要な部分は腎臓から排泄されるからです。よって、過剰摂取は、肝臓や腎臓に必要以上の働きを強いることになります。これは人でも動物でも同様です。動物は代謝が人より早いといわれているのでかえって注意が必要なくらいです。特に「治療」を目的とした場合には、単なる栄養補助を目的とした場合よりも摂取量も多くなるため、薬や食事との相性が大切です。

 栄養補助を目的とする場合は、気軽に現在の食生活にサプリメントを加えがちですが、食事あってのサプリメント、次のようなことに気をつけてほしいと思います。食事とは「主食とおやつ」の両者を含みます。そして本来は、まずは主食から必要量の栄養とエネルギーを摂取し、その主食が何であるか、体調はどうかより必用に応じて「おやつ」の種類や量を決定します。その上で、サプリメントのサポートが必要な場合、食生活に取り入れるという順番を覚えておいてください。ある飼い主さんは、犬の毛艶が悪いのでサプリメントをあげているが効果がないので止めるかどうか迷っているとのことでした。主食を伺うと、ごはんに野菜中心で肉や脂肪がありません。これではエネルギーは供給されても、被毛に大切なタンパク質や脂質が不足しています。サプリメントだけでは追いつけません。 また仮にサプリメントを与えていても食事のバランスが悪いと腸内環境も整わないので、腸からの栄養吸収も不十分になっているのでしょう。ただちに主食を改善し、さらに新しい食事になれてきたら総合ビタミン・ミネラルのサプリメントを加えることを薦めました。これは典型的な「サプリメントが主役で、主食が脇役」のパターンです。 

 一方で、主食が主役で、良質なペットフードを必要量食べている場合は、すでに必用十分両のビタミンやミネラルを与えていることになります。さらにサプリメント入りのおやつを与えている場合には、知らないうちにサプリメントを過剰摂取させていることも考えられます。
私たち人間は「健康」という言葉や情報に振り回されやすい傾向があります。何がボトムラインとして必要なのかを今一度考えて大切なペットの健康を管理していきましょう。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED