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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


カルシウムの敵!? 2004.3.31

 犬に関する様々な情報が各書籍や雑誌に掲載されるようになりました。栄養に関する情報の提供において私も微力ながらお手伝いをさせていただいています。その中でいまだに必ず出てくる質問が「犬に食べさせてはいけないもの」についてです。ねぎ類やチョコレートなど中毒を生じ、生死にかかわるような食材に関してはみなさん理解をされているようですが、塩分や糖分を多く含む菓子類に関しては、「なぜだめなのか」あまりピンとこないようなので今回はそのことについて考えてみましょう。
 結果から言えば、これらに含まれている成分は「カルシウム」を消耗、または尿路結石などの原因を作ることがあるからです。カルシウムは骨や歯の基本物質であり、体内で起こる化学反応に必要不可欠な生理的役割を担っている重要なミネラルです。さらにその必要量がヒトより犬に多いのはすでにご存知かと思います。だからといってカルシウムのサプリメントをその他の成分とのバランスを考慮せずに添加すれば過剰が生じ、腎臓や上皮小体などカルシウムをコントロールする臓器に負担をかけます。また添加することで血中カルシウム濃度が上昇し、そのバランスをとるために今度は骨内のカルシウムが減少する結果となり、いずれの場合も「健康な骨」が維持できなくなってしまいます。つまり、カルシウムは添加するよりも、「カルシウムを消耗するような食物を必要以上に摂取しないこと」が重要になってくるわけです。カルシウムを消耗する成分には以下のようなものがあります。

  1. 【過剰な蛋白質や脂肪】蛋白質や消化吸収には多くのエネルギーを使用するため、ミネラルやビタミンを消耗します。犬の場合、ヒトよりも蛋白質の必要量が高いため、カルシウムも多く必要なんですね。
  2. 【過剰なリン】犬のカルシウム:リン≒1:1で、このバランスが崩れるとリンがカルシウムの吸収を阻害します。また同時に血中カルシウム濃度を保つため骨内のカルシウムが減少します。
  3. 【過剰な砂糖】糖が分解する過程で酸が発生するので、体内が酸性に傾くのを防ぐため骨内のカルシウムが減少します。同時に糖の分解でビタミンB1も消耗します。その点、はちみつやメープルシロップはそれ自体にビタミン、ミネラルを含有するので、消耗の心配は避けられますが、過剰に摂取すれば、今度は糖尿病、肥満、心臓病を導くことは言うまでもありません。
  4. 【過剰な塩】過剰な塩分を排泄する臓器が腎臓に集中するため、腎臓疾患に。また体液のバランスが崩れ心臓にも負担をかけます。
  5. 【過剰なビタミンC(アスコルビン酸ナトリウム)】砂糖同様、体内が酸性に傾かないようにするため骨内のカルシウムが減少します。

 さらに、ナトリウム、リン、やビタミンCはカルシウムと結合し、様々な種類の結石を生じることさえあるのです。
 そしてこういった成分はヒトの菓子類や市販の犬用おやつなどに多く添加されていることがあるので、人の菓子類はあげないように注意を心がけ、犬用おやつを購入する際にはその成分を確認したいものです。
 菓子類をあげないほうがよい理由がわかっていただけたでしょうか?これらはヒトに関しても同様です。スナック類の食べ過ぎに注意して、健康な骨を保ってくださいね。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED