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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


加齢、高齢、老齢 2004.2.29

 anti-aging(アンチエイジング)という言葉を聞いたことがありますか?直訳すれば「加齢と戦う」ことで、つまり、いかに老化を遅らせるかという試みです。加齢とともに生体機能は衰え、それに伴いかつてのような生体防御機能も低下するので、その機能をサポートするサプリメントや化粧品、健康食品が最近話題になっています。
 今回テーマにしたいのは「犬の老化」についてです。人間の場合はまだまだ若いはずなどと気は若くても身体に訪れる異変には自ら気がつくことが出来るのため生活面で注意をしたり、これ以上悪化させないような工夫を試み、健やかな老後を迎える準備をしますが、動物にはいつからそおしてあげたら良いのでしょうか?
 一般的には7歳を高齢期の境とし、シニアフードへの切り替えを薦められます。しかし、実際の年齢には個体差があり、かつ大型犬はもっと早く小型犬はもっと遅いといわれています。その時期は、病気ではないが、食欲、行動、性格、体型などに変化の兆しをみつけたときを高齢のきっかけとするのが良いと思います。では、それはどんなことによって左右されるのでしょうか?
 加齢の速度は、それまでの母体、成長期、維持の各時期における栄養および環境や運動のあり方が大きく影響します。母体や成長期の栄養は身体の基礎である免疫力を左右し、また維持期の栄養は高齢期以後、免疫力が衰え始めた状態を左右します。またストレスは体内にフリーラジカルという細胞を傷つける物質の産生を促進し、老化を早めます。さらに加齢に伴う筋肉量の減少は心臓をはじめとする各臓器の機能低下を招く上に、万病の元である肥満になりやすい状態を作ります。つまり加齢の速度や老化減少が現れる時期はそれ以前の適切なケア-が重要だということです。しかし「もう手遅れだから」とか「もう年だし」とかいった、あきらめずに「気がついたときが最善の時」ですから、健康な老齢期を迎えるための準備期間と考え悪い習慣があればあらため、老化をサポートするようなケア-を心がけてください。ただし、何事も急な変化はかえってストレスを与える原因となります。特に老齢になってからは新しい環境に順応しにくくなりますので、徐々に栄養面、環境面を改善し、定期的な関節に負担のかからない1日15分から30分程度の散歩を取り入れてあげると良いでしょう。老齢期はデータによれば超大型犬は7歳前後、小型、中型犬は11歳前後のようです。私達飼い主の役目はいかにこの時期を心穏やかにストレスの少ない環境で生活させてあげることだと思います。
 栄養面では、運動量および筋肉量の減少に伴い、エネルギーを多少抑え、腎機能が低下に対応した質の高い蛋白質を成犬の最低維持量よりも多少多く設定、脂肪がつきやすくなるので必須脂肪酸(特にn-3やn-6)は確保した、多少低い脂肪含有率、十分なビタミン・ミネラル特に抗酸化作用のあるビタミンEやβ-カロテンなどを強化した食事が望ましいでしょう。また、関節痛がある場合は、食欲が低下するので、痛みを緩和するグルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントや、それらが入ったフードを利用し、十分な栄養が取れるよな工夫をしてください。おやつに関しても肥満、糖尿病、腎機能低下を考慮し、出来るだけ糖質で構成されたものは避け、少量の野菜、果物やゆでたささみなど自然の食材を心がけましょう。人間は高齢になると糖質や食物繊維の摂取が増加するようですが、本来それは犬の食性には適していないので、おやつを自分の嗜好に促して与えつづけると病気の原因を作るので注意して下さいね。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED