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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


カスタムメードな手作り食 2003.9.30

 「秋の穏やかな風に身をつつまれ暖かな太陽の日差しを浴びて、休日に愛犬と昼寝をする」そんな心穏やかな一時に幸せを感じる今日この頃です。
 さて、「手作り食のメリットはなんでしょうか?」という質問をきっかけに私の考える手作り食のあり方について考えてみました。解答としては「臨機応変な対応ができる」ことなのですが、この質問は、それ以上に情報に翻弄されることなく「自分にとって良い食のあり方」に気づく上で重要な問題提起をしています。
 ある番組で「栄養素または食べ物○○が××にきく」といえば、その日からしばらくスーパーの棚から○○が売りきれるように、健康は情報に左右されがちな面があります。「健康でありたい」「健康であって欲しい」その願いがあるがために生じる現象なので喜ばしいことなのですが、ここでちょっと考えて欲しいことがあります。
 それは、栄養とはある一つの要素だけが問題なのではなく、現在の健康状態、食習慣、運動量や環境、体質、服用している薬など多様な要素がからみあい、結果、個体に応じて必要性が決定されるということです。つまり、「○○に効果がある」といわれることが全員に当てはまるわけではないのです。ここでもしその情報の真意を理解できれば、自分に折り入れるかどうかを決定するだけではなく、不必要なものを取り除くこともできます。
 これが「手作り食のありか方」ではないかと思うのです。つまり「カスタムメードな食事」といったところでしょうか。「手作り食」では個々の栄養はもちろん重要ですが、それらばらばらに働くわけではなく、全体のバランスのなか功を奏します。一方で現在の個体の健康状態に適していなければ全く意味がありません。たとえば、我が家のマメタロウは毎年夏の終わりに人で言う「胸焼け」のような消化不良症状を起こします。白い泡状の胃液を吐き、草をやたらに食べたがり、そして、また吐く。このような場合、動物病院で血液検査で消化器に異常がないかを調べた上で食事療法が改善策となります。何も問題がなければ、1日絶食をさせ、吐かなくなったら、少しづつ食べさせます。ここで注目したいのがこの少しずつ食べ始めるときに「何を」食べるかです。消化器が疲れた結果起る消化不良にいつもの食事はつらいですよね。あっさりとして消化に負担のかからないもの、胃がすっきりとするものを食べたいと思いますよね。ペットも同様です。まずは少量の「チキンスープ」そして、「チキンスープで煮たおかゆ」、次にそこに少量の鶏肉、さらに野菜といったように段々と通常の食事に戻していきます。また、この期間サプリメントは肝臓を休めるため使用しません。こんな状況に応じた工夫が手作り食では可能です。また、体調の悪いとき、これは食べられないけどこれなら食べられる食材や調理法がありますが、そのように多様な状況に対応が可能です。
 「カスタムメード」で食事を作るには、飼い主は「なぜ」を理解するために、基礎的な栄養学を勉強しなければならないことは以前にもお話しました。「私達は簡単で効果的なこと」を求めがちですが、本質を見極め、個体に適した食事を見つけるには時間も必要です。
 ゆとりをもって心身の健康に役立つ、そんな「手作り食」が出来れば良いと考えています。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED