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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


アミノ酸って何? 2003.7.31

 7月に刊行されたあるペット新聞で「犬のサプリメントについて」の取材を受けたときのことです。「犬が夏に何を気をつけること」についての質問に対して、「脱水症状を起こさないように水分摂取を促すことです。ただし、水ばかりでも食欲減退につながる可能性もあるし、自家製のチキンスープがいいと思います。中にはアミノ酸などが溶けこんでいるので身体に速やかに吸収できるからです」と、答えたのですが、紙面には「夏場は味のついたチキンスープにアミノ酸を加えたもので水分補給をすると良いでしょう」と書かれていました。これを読んだ私はびっくり仰天!「味のついたもの」は避けなければならないし、「アミノ酸の添加」いついては安易に考えてはならないからです。しかし、誤解は一方からでは生じないもの。私の説明が不充分だったのかもしれません。最近「アミノ酸飲料」や「アミノ酸サプリメント」など多方面で、「アミノ酸」が話題になっているわりには、おそらく消費者はその正体を理解していないのではと思い、今回はアミノ酸についてお話しようと思います。
 アミノ酸とは「蛋白質」を構成する一分子のことです。蛋白質は何百から何千ものアミノ酸で構成された大きな複合分子なのです。その種類は何百にもおよびますが、通常20のアミノ酸が蛋白質を構成し、そのうち体内で合成できるものを非必須アミノ酸、合成できないので食事から必ず摂取しなければならないものを必須アミノ酸といいます。蛋白質は筋肉、腱、骨、爪、各臓器の主要成分であるばかりでなく、遺伝子、酵素、ホルモン、免疫体など生命維持に重要です。
 食べ物は体内で栄養となるためには、吸収されるために小さな分子にならなければなりません。その吸収に必要な分子の大きさにまで分解される過程が「消化」です。つまり、蛋白質は体内で働くために蛋白質を構成する一つ一つの分子である「アミノ酸」に分解されます。ということは、すでにアミノ酸になっている状態で摂取すれば消化にかかる時間や負担がないので確かに速やかに体内に吸収されます。スポーツ選手やスポーツドッグが消耗した筋肉中の蛋白質を再合成するために、アミノ酸入りドリンクを利用するのはこのためです。
 ビタミンやミネラルが3大栄養素(炭水化物、蛋白質、脂肪)の働きをサポートするのと異なり、アミノ酸はそれ自体が身体を作り生命を維持するの主役だと考えると、その使用法に慎重が要されることが想像されます。メリットが大きいものは必ずデメリットがその裏に存在することを認識しておかなければなりません。
 たまに飲んだからといって問題はないと思いますが、アスリート犬が急激な筋肉疲労と水分補給が必要な場合、あるいは獣医師から指示がある場合を除いてはアミノ酸を使用する必要はないと思います。さらに人用に一般に市販されているアミノ酸製剤は人口甘味料や香料などが添加されているのも気になります。ちなみに輸液で血液に直接入れる場合、各アミノ酸の配合や量は非常に難しく獣医師でも使用に際しては最大の慎重を要します。。
 夏場の水分補給には、「味付けをしない」自家製のチキンスープや、野菜、果物など自然の「食べ物」を利用するのが良いとおもいます。また、サプリメントは、それが何に働くのか、なぜ必要なのかを理解し、現在使用している薬があれば、それと拮抗しないかなど注意が必要です。「健康オタク」のように「良いものはなんでも摂取する」ことのないように注意してくださいね!何事にも「その状況に適した相性」が重要です。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED