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奈良なぎさ(なら・なぎさ)
プロフィール

1998年 「NEW YORK SCHOOL OF DOG GROOMING」(アメリカ)を卒業。1999年「The British Institute of Homeopathy」(イギリス)の「Nutrition & Herbology」コースを終了。2000年「School of Nutrition Science」(アメリカ)を卒業。同年、アメリカ・カリフォルニア州の「Nutrition Consultants」に登録。現在、当院に動物の栄養指導者として勤務しながら、動物と人間の個体別代謝システムの違いによる効果的な食事方法や、それに伴うライフスタイルなどを「CLAYTON COLLEGE OF NATURAL HEALTH」(アメリカ)の「HOLISTIC NUTRITION」コースを終了。現在、修士課程コースにおいて研究中。日本ペット栄養学会会員。ペット栄養管理士。

 

 

ペット栄養学教室

講師:奈良なぎさ


グルメ度の違いはここにある! 2002.11.30

 ある朝、愛犬マメタロウは食餌をだされてもすぐに食べずにちょっと離れてお皿をじっと見ていました。その日は私の代わりに母が食餌を作ったので「ほら、おいしく作ってあげないからマメちゃんいやなのよ」という私に母は少々ムットして、「あら、あなたモおいしいモってなんなのよ。いつもと同じ材料で作って何が悪いのよ」そして待ってましたとばかりに私はこう答えました。「モおいしいモっていうのは嗜好性の問題なのよ。わかる?」
 ということで今回は「嗜好性」について考えてみましょう。
 人は雑食、犬や猫は肉食と単純に考えると、食べておいしいと感じる食べ物=「嗜好」は違うと考えられますよね。しかし、多くの場合、飼い主側は自分が食べておいしいと思うもの、あるいはペットが良く食べるものをその個体の「嗜好」と考えているのではないでしょうか?味覚は舌を含め口腔内にある味蕾によって感じるわけですが、犬はヒトの約1/5、猫は1/19しかもっていないのです。ということは彼らの味覚はヒトと同様な「味」ではなく、「嗅覚」に依存しています。つまり、ヒトのグルメは主に「舌」で、犬や猫の場合は主に「鼻」で味わっているといえるでしょう。但し、色々な種類の食べ物を食していれば味蕾の感覚が高まると思われるので、味もやはり嗜好を決定する大切な要素であることに変わりはないと思います。ただ、「味」」を重要視すると飼い主は自分の嗜好や味覚をペットに重ねるので、犬のように「甘味」を好む場合、甘党の飼い主はペットにもついつい多めにあげ過ぎて、肥満や糖尿病の原因になることがあるので要注意です。
以上のことからペットが食餌を食べない場合、フードの種類を変えるよりも第一に嗅覚をそそる工夫をすることが効果的だと考えられます。一般的には温めることでその匂いが増強され、嗜好が高まるのでぬるま湯でふやかしたり、人肌程度に温めたりするのが効果的だとされています。(この場合いずれも10分程おいてしっかりふやかすと香りが最適状態になるといわれています)但し、ペットフードはビタミンなども添加されているので温めた時の匂いを嫌う場合も有るでしょう。そういった場合は、一般食であるならば、鶏や牛でとったスープを温めたものを少量かけたり、卵黄をフードに絡める位の量混ぜるなどの工夫が必要です。この方法は嗅覚、味覚の両方を満たすと考えられます。ただし処方食の場合はやはり温める方法で、その子が好む適温を探すのがいいでしょう。
 また、嗜好や味覚は、飼い主とのコミュニケーションや季節、環境などの変化に伴う精神的影響、加齢、健康状態によっても影響されるので、普段からしっかり観察をし、食欲を促してあげる飼い主側の努力も必要だと思います。また、自分の精神的変化や健康がペットに影響することもあるので、食餌ばかりに気を取られずに自分の観察もしてみましょうね。
 「ちょ−っと、スープとお肉を温めてあげてから混ぜれば、マメちゃんおいしくたべられるのよ」これが私の回答でした。「あとでちゃんと食べてるわよ。ダメよ、そんなにわがままにしちゃ!」と母はあまり納得していない様子。無塩バターや塩分の出来るだけ少ないハードチーズを摩り下ろした物などで毎日微妙に風味を変えていることなどとてもいえなかった!!


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED