院内日誌
パクちゃんとタマネギ
山岡新生(1999年1月23日)
去年(1998年)の2月頃、シーズーのパクちゃんが真っ黒な?おしっこをしたということで来院しました。パクちゃん自身は結構元気で診察台の上を走り回っています。診察すると歯ぐきの色が少し白っぽくなっていました。とりあえずおしっこの検査をすると確かに色は黒っぽい、しかし正確に言うと茶褐色でした。更に検査を進めるとどうやら、おしっこの中に血の成分が溶けていることがわかりました。次に血液の検査をすると少し貧血している、またハインツ小体といわれるものがたくさんの赤血球についていました。急いで飼い主さんのところに走り「パクちゃん昨日何か変わったものを食べましたか?」と聞くと野菜のサラダを食べたそうで、「ひょっとしてその中にタマネギなんか入っていました?」と聞くとしっかり入っていました。これが今回の黒い?おしっこの原因だとわかりました。これはネギ類に含まれる有毒成分によりヘモグロビンが変化し、脾臓などで破壊される為に起こる病気です。 治療法はしばらく、入院して点滴を続けることにしました。相変わらず元気なパクちゃん貧血が進んでも食欲元気は衰えず、おかげであっという間に退院しました。あれから3〜4ヶ月後、またまたパクちゃんがタマネギを食べたということで来院しました。今度はまだおしっこが黒っぽくなっていないそうでピンピンしていました。飼い主さんの話を聞いてみると「前回のことがあったので自分たちの食事にもタマネギには十分注意して、タマネギを使った料理もずいぶんと少なくなったのに、その日はタマネギを調理している時にたまたまお客さんが来て台所をあけた隙に…。」 なんとパクちゃんはタマネギが大好物だったらしく、その隙をずっとうかがっていたと思えるような行動でした。今回も2〜3日後に貧血のピークが来てあっという間に復活して退院していきました。 この事件?で貧血するパクちゃんも可哀想ですが、この家庭の食卓にタマネギが登場しなくなってしまい食べられなくなったご家族が可哀想に思えて仕方ありません。