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院内日誌

猫がトイレに何度も行く

院長 山村穂積(1998年1月7日)

 「猫が便秘をしているのか何度もトイレに行っています。そしてトイレでギャーと叫びます。何も食べないのです。」というようなことで、飼い主さんが大きな雄猫を抱えて来院しました。猫の年齢は8才、雄で4、8kg。お腹を触ると野球のボールのような硬い物が触れます。これは獣医さんであれば便秘ではなく尿道閉塞による膀胱炎であることが解ります。早速、お腹を圧迫して尿が排出できるかを検討しましたが、とても無理で、次に尿道にカテーテルの挿入を試みました。トムキャットカテーテルといって猫専用のカテーテルをペニスの先端から尿道に挿入してみましたが、これが入らないのです。特殊な技術で何とか尿道の再開が出来、尿が排出されました。しかしこれが尿といっても通常の淡い黄色でなく赤い明らかに血の混じっている尿で、その中にきらきら光る砂のような結晶物がたくさん見られました。
 この病気は、猫泌尿器症候群(FUS、LUTD)といって猫独特の泌尿器の病気です。これを放っておくと、元気、食欲が無く、尿が出ないまま死亡してしまう大変な病気です。尿の中にある砂のような物はスツルバイト(リン酸アンモニュウム・マグネシウム)と呼ばれる結晶で、これが尿道を塞いでしまい尿排出が出来なくなります。原因は色々ありますが、とりあえずこの病気に罹らないようにするには食餌管理に気をつけることです。1日2回一定の時間に食餌を与え、残した物は片づけてしまいます。1日の中に、お腹を空かした時間を作ります。これによりかなりこの病気が予防できることは確かです。尿道閉塞を何度も起こすようであれば”おかま”にする手術を行います。トラちゃんがトラコちゃんになります。これにより尿道閉塞はしなくなり命を落とすことは無くなりますが、それより、この病気にさせないことが第一です。具体的な様子の変化としては、よくトイレに行くことですが、飼い主さんは、便秘をしていると勘違いなさることがありますが注意をしてください。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED