» 医局員名簿
 ┣ 医局獣医師名簿
 ┗ 医局動物看護師名簿

» 研修室
 ┣ 学会誌
 ┣ 各学会・年次大会
 ┣ 小動物専門誌
 ┣ カンファレンス
 ┗ 個人・その他

» 院内日誌

» ペット栄養学教室

» パピークラブ

 

 

 

院内日誌

あきらめなかった前足

院長 山村穂積(1997年2月17日)

 血尿を時々する。その犬にこんな症状が出始めたのは昨年の9月です。動物病院での診断は、膀胱炎であり治療が続けられました。少しは症状の良い日がありましたが全体的には変わりがなかったので、飼い主さんは動物病院を変えてみましたが、前の病院と同様の診断でした。
 月日がたち、今年の2月、元気はもちろん食欲までもなくなり当院を訪れました。
 初診でのレントゲン検査では膀胱に結石が山と入っており、最近では非常に珍しい状態でした。結石を摘出するにも、腎不全を起こしておりすぐには手術を躊躇するような状態でした。点滴注射を始めとして膀胱にカテーテルを入れ常に尿の状態が監視できるようにして腎不全の改善を主に治療を始めました。ところが、血液の中に細菌がウジャウジャいて抗生物質になかなか反応しない状態でした。血液の細菌培養を行い、それにあった抗生物質を投与しても状態の改善がありませんでした。その状態を菌血症といいます。その原因が細菌のかたまりである膀胱結石にあることから、何としても膀胱の石を取り出すことにしました。
 手術を行うと、膀胱の中に無数の小石があるのはもちろん、膀胱の粘膜面にも石がくっついていて、取り出すのがなかなか大変な状態でした。幸いにして手術はなんとか思うようにできました。しかし、どうしてこんなにひどくまるまで、結石に気がつかなかったのかが不思議なくらいの石の量でした。手術後、薬効のある高価な抗生物質を点滴注射で投与しても血液中の細菌は消えません。最善を尽くして治療していますが、いずれは命を落とすことになる可能性が非常に高い状態です。
 膀胱結石は、尿検査によりその結石の種類が判ることが多くあります。早いうちに見つけて、食事療法を行うと手術をしないも結石が消えていきます。犬の場合は、結石の原因のほとんどが細菌であることから、食事療法をしながら抗生物質を同時に投与します。通常は単なる膀胱結石で命が危なくなるような状態にはなりにくいものです。ここまでひどくなった原因がどこにあるのかは判りませんが、とても残念です。
 動物病院で適切な検査が行われれば、多くの病気は発見できます。見かけは軽い症状でも、しだいに病気が進行する場合がありますので、飼い主としてもしっかりとペットの状態を観察しなくてはいけません。具体的な診断や治療は獣医さんを信頼するしかありませんが、治療をしても病気の状態がよくならなければ獣医さんにその原因を早めに尋ねましょう。納得のいく説明を受けられるかどうかも、病院の評価をするいい指標になります。
 そして、チャンスがあったら、誰かに現在かかっている病院の評判を聞いてみましょう。犬を散歩させている人などは、どこかの動物病院にかかっているでしょうから、ちょっと声をかけてみると、自分で探すより良い病院が意外に早く見つかることもあります。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED