院内日誌
犬の椎間板ヘルニア
板倉裕明(退職)(1996年11月5日)
ダックスフンドには、椎間板ヘルニアという病気がよく認められます。この病気の犬は突然に腰が立たなくなって来院します。通常、このような犬を歩行可能な状態にもっていくためには、ただちに手術を実施する必要があります。この突然の手術というのがクセモノです。ほとんどの大手術は、前もって予定を決めて、手術前の処置を実施し、手術準備を整えてからになるので、手術をする人もそれなりの心構えで臨むことができます。 しかし、椎間板ヘルニアの手術の場合には、このような猶予期間はありません。これは飼い主にとっても同様であり、突然に腰が立たなくなり、動物病院に連れて来たら、すぐに手術をしなければダメですと言われても、いきなりのことであり、戸惑うばかりで、判断に迷うことになります。 しかも、手術を受けても完全によくなるとは限らず、入院も長く、それなりの費用もかかることから、手術を決断するのはとても大変です。しかし、このような状況下で、ほとんどの飼い主は手術を選択します。これは、動物のことを第一に考えた正しい判断と考えられ、動物に対する愛情の深さがうかがえます。