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院内日誌

いつのまにか・・・・・

小菅教仁(2004年12月21日)

 師走に入り今年ももうあとわずかとなりました。2004年はまさに‘災’の1字に尽きると思います。人間にとっても動物にとっても大変な年であったのではないでしょうか。特に新潟中越地震での1シーン。避難する上でやむなく置いて行かなければならなくなり主人の帰りをひたすら待つ犬の姿にはなんとも言えない気持ちになりました。いつ来るかも分らない‘災’がもし自分に降りかかり、家族であるペットを置いて行かなければならなくなったら・・・・・。考えたくはありませんが真剣に考えておかなければならない事であると感じました。
 さて、話は変わりますが、北川動物病院には‘森の理念’があるのですがご存知でしょうか。豊かな森には豊かな土壌が存在します。その上で栄養分を吸収し、様々な木々が育ち豊かな実を実らせます。土壌は院長であり、様々な木々は獣医師、看護士、スタッフの事です。この森で知識を身につけ、技術を磨きよりよい獣医療を飼主さんに提供すると共に心のこもったふれあいを通し、動物の体の健康と共に飼主さんの心の健康をも提供しようというものです。私はその理念に共感し、この森(別名ホズミの森)に飛び込みました。
 この度、この森から飛び立つ事となったので、1つ思い出深いエピソードを書こうと思います。この話の主人公は太郎君という雄のねこちゃんです。太郎君はまだ目も開いていないうちに捨てられてしまいました。が、幸運にもやさしい飼主さんに拾われました。しかし、その飼主さんは猫を飼ったことがありませんでした。不安いっぱいの飼主さんに「頑張りましょう!!」と一言。それ以来、飼主さんは飼い方の猛勉強をし、毎日毎日人工哺乳をし、一生懸命育てていました。飼主さんの手に付いた無数の引っかき傷が物語っていました。その甲斐あって、途中便秘に悩まされた事もありましたがスクスク成長し、立派になりました。
 と、ここまでは感動的ですが、なんと太郎君はいつのまにかギャング君になってしまっていました。診察しようと体を触ろうとすると「俺に触るな!!」と言わんばかりにシャーと威嚇されてしまいました・・・・・。
 そんな太郎君ですが、目も開かない頃から立派になる過程において一番の功労者は飼主さんに他なりません。太郎君!!今の君があるのは飼主さんの愛情のおかげですぞ!!!
 何を言いたいかというと、どの子も飼主さんに支えられているように、自分も家族や友人、先輩、後輩、同僚、飼主さん、動物に支えられ、教えられて今があるのだという事です。いつのまにか月日は流れてしまいましたが、みなに支えられて大きな財産を得たような気がします。新天地より皆さんの健康と幸せを心から願っています。


 

東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED