院内日誌
糖尿病の猫 ジュンちゃん
矢田乃路子(2002年12月31日)
ジュンちゃんは12才のオス猫ちゃんです。以前は体重が6kg近くあったのに、最近痩せてきて、よく水を飲むようになり、おしっこの量も回数も増えてきた。これは変だということから、ジュンちゃんにとっては好きでない動物病院に連れてこられました。 診察により、体重は3.5kgで6kgは何時のこと?と言う感じでした。尿検査でも糖が出て、血液検査では、血糖値が高く、診察の結果、なんと「糖尿病」になっていたのです。え!猫に糖尿病?そうです動物にも糖尿病はあるのです。それも人間同様、中年以降の太った動物に多いんですよ!! 早速、インスリンの治療に取り掛かるわけですが、インスリンの投与量を決めるために数日入院することになりました。インスリンは効きすぎると血糖が下がりすぎて、発作が起こったり昏睡状態に陥り命の危険な状態になりかねません。インスリンの投与量を決定するためには、少ない量から始め、投与後にも血糖値の変化を検討していくために数時間毎に血糖を測定する必要性があるわけです。ジュンちゃんの場合、インスリンを1日2回皮下注射という方法で投与しなければなりません。これから飼い主さんが毎日決まった時間にジュンちゃんにインスリンを皮下注射で投与しなければなりません。ジュンちゃんの入院中に、飼い主さんの皮下注射の練習が始まりました。注射をするということは皮膚の消毒観念も必要ですし、針を使うので誰でも緊張しますよね?はじめは、「絶対無理!!娘にやらせるわ。」と言っていたお母さんも何度か練習するうちに、なんとかできるようになっていきました。ジュンちゃんも数日後に退院していきました。ちなみにインスリン投与用の注射器は使用後には医療廃棄物になるので、飼い主さんに使用済み注射器を病院に持ってきてもらってます。そんなジュンちゃんは注射を始めてから一年以上たちますが、ほとんど毎日お母さんが皮下注射しているとのことです。 糖尿病の治療には、毎日のインスリンの投与はもちろん、糖尿病用の食餌の徹底、全身状態の観察、尿検査や血糖値の測定など、飼い主さんの協力なしでは成り立ちません。ジュンちゃんは今まで一度も低血糖やケトアシドーシスといった危険な状態にならず、一生懸命な飼い主さんのおかげで体重も現在では6kgに増え、以前のような多飲多尿も見られなくなりました。そしてなんとジュンちゃんは外へ脱走までしちゃうほど良好に経過しています。でもジュンちゃん、大嫌いな病院などといわないで定期的に来てね!!