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やどり木カンファレンス

創傷の治療法

2007年6月

獣医師 徳留史子

 外傷においても手術による縫合創においても、犬の皮膚よりも猫の皮膚はつきにくいということは、日頃から診療の中で経験していることであるが、人間と犬猫、更には犬と猫とでは、皮膚及びその関連組織の構造が異なり、創傷治癒に関して同次元で考えることは出来ない。この重要な当然の事柄について、意識を持ちながら治療に臨む必要がある。

 主に基本的な治癒過程、各治癒ステージでの治癒促進法について述べ、形成外科的手法が必要となった場合の選択の仕方について考察する。その中で特に、人と犬猫においてあるいは犬と猫において異なる点に注目して解説する。

【内容】

●正常創傷治癒過程の再確認

  1. 炎症・デブリードマン期
  2. 修復期(血管新生、繊維形成、肉芽形成、上皮化、収縮)
  3. 成熟期

●各ステージでの効果的な治療
 ハイドロジェルドレッシング、アルギン酸ドレッシング、ハイドロコロイドドレッシング、フィルムドレッシング、非固着性ガーゼのそれぞれの特性、適応時期についてのまとめ

●形成外科の選択の場合のプランニングの要点と注意点

 犬及び猫の創傷治療が、人と比較して大きく異なるのは、一連の治癒過程の中で、「収縮」が避けるべきではなく、むしろ、促進すべき重要な治癒過程である点である。
 皮膚と周囲組織との結合が強固なために、機能的問題が発現することや、美観的醜悪さをもたらすことが問題となり、「収縮」を避け、「上皮化」させて治癒させることを目標とする人間の創傷治療と大きく異なり、犬及び猫は、皮膚と周囲組織との結合が緩く、創は収縮することによって効果的に治癒する。
 このことを踏まえ、肉芽形成、上皮化、収縮の各時期に適した治療を行う。

 また、治癒過程が停止してしまった創、収縮が起こると変形が予想される場合などで、手術による縫合を選択する場合がある。このような場合に用いる手法などについて要点を述べる。
東京都板橋区にある犬と猫を中心に診療・治療している動物病院です。質の高い動物医療を提供できるように努めています。(C) 株式会社 ホズミ ALL RIGHTS RESERVED