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やどり木カンファレンス 老齢犬の末梢性前庭疾患を疑った1例 2007年3月 小林久子 【はじめに】 前庭疾患は臨床でごく普通に見られるもののひとつです。臨床症状には斜頚、転倒、横転、眼振などがあります。このような症状は中枢性や末梢性の前庭疾患でおこります。このため、完全な神経学的検査によって病変の位置を特定する必要があります。今回、突然の歩行困難、眼振、斜頚を主訴に来院した1例に対し、末梢性の前庭疾患を疑い、抗生物質およびステロイド療法を行ったところ、良好に経過いたしましたのでご報告いたします。 【症例】 ラブラドール・レトリーバー 避妊雌 14歳齢 【既往歴】
【予防歴】
【身体検査所見】 主訴;突然の歩行困難、ふらつき 【臨床検査所見】 ●血液検査(CBC)
●血液化学スクリーニング検査
【レントゲン検査所見】 明瞭な炎症像確認不可。 【まとめと考察】 本症例は片側性の末梢前庭徴候を突然発症しており、高齢でもあるため、老齢性特発性前庭疾患が示唆されましたが、血液検査、レントゲン検査、耳鏡検査、触診などにより中耳炎もしくは内耳炎を完全に否定することができなかったため、抗炎症作用を目的としてステロイド療法および抗生物質療法を行いました。治療開始第7病日には斜頚は継続していたものの、眼振は消失し、歩行困難も改善されました。このためステロイドを漸減し経過を観察したところ、軽度の斜頚は継続するものの、ふらつきも徐々に改善されています。 また、前庭疾患以外の甲状腺機能低下症の臨床徴候が認められなかったため、甲状腺機能検査は行いませんでしたが、甲状腺機能検査の実施時期についても検討の必要性を感じました。
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